1950年代、浦賀ではフランス海軍兵士らと住民による温かな国際交流が日常的に行われていた──。そんな当時の様子を記録した写真を携えて、フランス人男性のChristophe Leger(クリストフ レジェ/55)さんが7月、この地を訪れようとしている。所有する写真は272枚。彼の来日に合わせて浦賀の有志が写真展の開催準備を進めている。
「浦賀船渠60年史」によれば、1951年に浦賀ドックはフランス海軍の修理工場に指定され、56年までに計29隻を修理したことが記されている。
クリストフさんの亡き父であるChristian Leger(クリスティアン レジェ)さんは、フランス海軍の一員だった。51年11月に艦船の修理で浦賀を訪れており、翌年の7月まで滞在していた。撮り溜めた写真は本国に持ち帰っており、それを幼かった彼に見せながら柔道や日本語を習ったことなど、浦賀で過ごした日々を楽しげに話したという。
クリストフさんは昨年7月、父の思い出の地である浦賀に単身でやってきた。古い写真をたよりに足跡をたどったが、言葉の壁もあり、すべてを巡ることができなかった。そんな折に知り合ったのが赤堀愛子さんだった。「来日の目的を聞き、協力を申し出ると再来訪の意向を示した」と赤堀さん。その後もメールで連絡を取り合い、写真展の開催を提案するとクリストフさんは二つ返事で了承。7月にふたたび、亡き父の思い出にふれる追体験の旅を行う。
当時知る人 記憶がたより
フランス海軍が浦賀を訪れていた時代を知る人は、地元でも少なくなっている。 小松崎康幹さん(81)は、「荒巻町内に(フランス海軍の)宿舎があり、頻繁に立ち寄った。浦賀中のグラウンドでバレーボールに興じたことも。みんな温厚な性格で地域になじんでいた」と懐かしむように語った。
赤堀さんら地元有志は、クリストフさんの来日をきっかけに、浦賀の一時代を知る機会にしていく考え。7月下旬に予定している写真展では、当時を知る人にも協力を呼び掛け、写真と思い出をつなぎ合わるという。これに向けて現在、情報提供を呼び掛けている。
問合せは吉岡治樹さん【携帯電話】080・1704・9950
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