横須賀版 掲載号:2016年6月24日号 エリアトップへ

NPO法人「こどもの夢サポートセンター」で学習支援活動に取り組む 田渕 勝廣さん 森崎在住 74歳

掲載号:2016年6月24日号

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貧困家庭の進学後押し

 ○…社会問題となっている「子どもの貧困」に真正面から立ち向かう。親の所得によって生じる教育格差が、貧困の連鎖につながる傾向を「なんとか断ち切りたい」。今年から市の委託を受け、貧困家庭の学習支援事業に取り組んでいる。先月には浦賀地区で、就学援助を受けている中学3年生を対象とした勉強会を始めた。受験まで週1回のペース。「継続が大事」―。道のりは長い。

 ○…7人兄弟の次男として、上町の酒屋で育った。大家族の生活は苦しく、店主の父は売り物の酒を自らであけてしまう”飲んべえ”。家計は火の車だった。不入斗中在学時、成績は常に上位で「高校に行きたかった」が進学費用はなく、職に就かざるを得ないと諦めていた。そんな折、当時の担任が「お前のために申請していた奨学金が通った」。”恩師”と呼ぶ教諭の好意と、優秀な成績で横須賀高校へ進学。同時に教師という職に憧れを抱いた。その後、東工大で教員免許を取得。主に理数系の担当として、県内5つの学校で教鞭をとり、3校で校長を歴任した。

 ○…定年後、スローライフの選択肢はなかった。「やっぱり子どもに教えるのが好き」。青少年育成員として学習支援を中心に活動。4年前、経済的理由で塾に通えない中学生らを対象とした学習室を小矢部町内会館で開いた。小規模の予定だったが集まった生徒は20人超。1つの町でこれだけの数が集まったことに「このような場所が多く必要」と感じた。元教諭やPTAなど、教育の”プロ”で構成する法人を設立。子どもの貧困支援に取り組む。

 ○…教育者として子どもに携わること半世紀。わかったことがある。「努力するのは子どもの役目。環境を整えてあげるのが大人」。スタートした浦賀での事業にも定員以上の応募があった。お金はないが、勉強に励みたい受験生が多くいる。「彼らを高校に送り届けたい」。60年前、自分を進学させてくれた恩師のように―。

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