横須賀・三浦の地元食材を無駄なく、美味しく召し上がれ―。長坂にある県立海洋科学高校の生徒らが、三浦半島産の農水産物を使った缶詰の開発に取り組んでいる。11月3日(祝)の同校文化祭で販売が予定されているほか、将来的に観光施設などでの取り扱いも検討。生徒らは「手づくりの味を多くの人に食べてもらいたい」と期待を寄せている。
缶詰づくりは授業の一環として行われているもので、地元で水揚げされ、利用方法がなく廃棄されてしまう魚種や部位の有効活用をテーマに、生徒15人が今年4月からアイデアを出し合ってきた。地元の野菜と組み合わせた加工食品をつくることで、地産地消や六次産業化の促進に貢献し、地域課題の解決をめざす。
食材は三崎まぐろの骨や中落ち、横須賀市内での水揚げ量が2番目に多いサバ、特産の大根とキャベツを使用。「まぐろ大根」と「サバ・ロールキャベツ」の2種類の缶詰を開発した。生徒らは下処理や製法、味付けの試作を繰り返しながら、食べた時の満足感を上げるために塩分濃度や具材の切り方を工夫したり、魚臭さを消しながら素材独自のうま味を引き出す方法を研究。約5カ月にわたって試作を重ねてきた。開発メンバーの1人で3年生の小川愛夏さんは「食材の水分や大きさ、製缶作業での計量が難しかった」と試行錯誤の様子を振り返った。
地元連携で後押し
商品開発には、横須賀・三浦市、地元網元やまぐろ卸問屋らが食材提供などで協力。産官学の連携で取り組みをサポートしている。
今月20日に同校で開かれた試食会では、吉田雄人横須賀市長や吉田英男三浦市長らから好評を得たほか、民泊で各地から修学旅行生を受け入れている長井連合町内会の原忠会長は、「土産物にとても良いのでは」などと新たな名物の誕生に太鼓判を押していた。
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