「横須賀のバリアフリー情報局」を掲げ、障害児の保護者らが今年立ち上げた「sukasuka─ippo(すかすかいっぽ)」が、市内の小学校で映画「みんなの学校」の上映会を企画している。
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きっかけは、9月に同団体が開いたこの作品の無料上映会だ。特別支援級を設けず、障害児と健常児が同じ教室で学ぶことを試みた公立小学校の歩みを描くドキュメンタリーで、「すべての子どもに居場所のある学校を作りたい」という思いを追ったもの。
当日は、約280人の参加があり、アンケートでは「学校の先生にも見てもらいたい」「子どもと一緒に見て考えたい」という回答が多くあった。その後に行った意見交換会でも、「当事者以外の、普段あまり関わってない人たちが見る機会を設けたい」などの声もあった。
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そこで持ち上がったのが、小学校での巡回上映。小学生を対象にしたのは、「支援教育や配慮が必要な友達の個々の”違い”を偏見ではなく、特性として理解して関わることを学んでほしい」という思いから。同代表の五本木愛さんは、「学校という枠組みだけではなく、地域みんなで一緒に子どもを育てるという意識も醸成できれば」と、児童・教員だけでなく、保護者や地域の人が鑑賞できる形式を考えている。
第一弾として、1月中旬に鴨居小学校で”特別授業”が計画されている。授業内の2時間を活用し、対象学年は学校に一任。鑑賞後はアンケートや意見交換をしながら、学びを深める方向だという。
今後は、市内全47校を年間6校ずつ巡ることを目標に、各小学校と交渉を進めたい考えだ。上映に関する費用は、地元企業や商店などからの協賛を募っており、「開催告知のチラシで店舗などを紹介することで、地域ぐるみの活動に発展させることができれば」と話している。
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学校現場では今、障害の有無に関わらずできるだけ同じ場で共に学ぶことを目指す「インクルーシブ教育」
の取り組みが進む。「(この映画を)ひとつの視点として参考にしてほしい」と五本木さん。作品の姿が、理解や学びのきっかけとなることを期待している。
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