ピアノ1台に4本の手で織りなす連弾。市内を中心に活動する「花音」の演奏は、周囲の雰囲気もポジティブカラーに染めてくれる。「元気と笑顔を届けたい」―そんな想いでステージに上がる。
姉のMOMOKAさん(16歳)のピアノとの出会いは3歳ごろ。「絵本に付いていたおもちゃのピアノが大好きだった」。教室に通うようになり、そんな姉を見てHIKARIさん(14歳)も自然と鍵盤に向かっていた。フルートソロ伴奏の舞台に妹が飛び入りで参加したのが、「姉妹デュオ」結成のきっかけだ。
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2人の名前の一文字と”音”を組み合わせた「花音」として活動を始めたのは2009年7月。彼女たちの”ホーム”はショッパーズプラザ横須賀のセンターステージ。「ここでファンになって広めてくれる人がたくさんいる」。そんな人たちを「音楽で笑顔に」と2人で顔を合わせる様子は、息もぴったり。
ただ、性格や好みは少し違う。おっとりと穏やかに言葉を選びながら話す姉、ハキハキと朗らかな妹。演奏も、慎重で正確なタイプに対し、メロディラインを”歌う”のが得意―と普段の生活も連弾でも、互いが持っていないものを補いあいながら、独自の世界を作り上げる。
もちろん、連弾は相手あってのこと。手が重なったりクロスしたり、肘がぶつかるなど、「合わせる難しさ」もある。そこは互いをよく知る姉妹。さらには「2人での練習が毎日できる」ことが、大きな武器になっている。
連弾にのめり込んだのは、地元出身の兄弟デュオ「レ・フレール」の影響も大きい。レパートリーの半数は彼らの曲。これに加えて、オリジナルも手がける。高齢者施設などで演奏することも多く、昭和歌謡を”耳コピ”して連弾にアレンジ。「この時代の曲は旋律や歌詞もステキ」と、自宅ではいつも彼女たちの鼻歌で賑やかだ。
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明るさを身にまとった2人だが、それ故にピアノを弾いていいのか悩んだ時期もある。震災直後のことだ。逡巡しながらプログラムを組み直して上がったステージは、「聴きながら涙する人もいて、演奏を喜んでもらえた。音楽の力に私たちが励まされた」と振り返る。「笑顔にしたい」とのシンプルな想いが湧き上がった経験でもあった。
今年初めての舞台は、「よこすかの音楽家を支援する会」のニューイヤーコンサート。プロの演奏家が集まるなかで、同会では最年少。「本番に向かう考え方や心構え、作品を追及する姿勢など、学ぶことが多い」とMOMOKAさん。こういったステージでの出会いも、2人の大きな刺激となっている。
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そんな姿を、母親は「ピアノの先生に教えられた”音楽を楽しむこと”を、周りを巻き込みながら輪を広げている」と目を細める。彼女たちの揃いの衣装や小物の中には手作りもあり、選曲も母娘3人で相談しながら。家族の会話の中心に、いつも音楽がある。
現在、中・高生の2人。それぞれ、将来の夢もある。進路は違うかもしれないが「ずっと、花音として演奏していたい」との共通の想い。そして「祖父母の暮らす東北でライブをすることも目標です」と、とびきりの笑顔を見せてくれた。
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