77歳以上が出場資格の関東野球大会が今月5日、6日に千葉県で行われ、「横須賀シニア」のメンバーを中心とした合同チーム「オール湘南」が優勝を果たした。大会には7チームが参加。同チームは初戦、3連覇中で優勝候補の東京を下し、勢いそのままに準決勝、決勝のダブルヘッダーを勝ち上がった。
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還暦以上の選手が所属する野球チーム「横須賀シニア」。メンバー66人の大所帯だ。そのうち77歳以上が15人所属しており、喜寿世代を対象とした試合に出場している。今回はそのメンバーで大会に参加。2日間で3試合のハードスケジュールを考慮して、合同チームでの出場となったが、そのほとんどが横須賀シニアの選手たちだった。
勝因は「全国でもトップクラスの練習量」と平山暢久監督。平日週2回の練習は昨秋に全国大会で優勝した還暦のチームと合同で行う。1回り年下の選手と同じメニューをこなしながらついていくことで自然と体力や技術が維持されていくという。
特に走り込みでは、練習場所の衣笠公園野球場を5周した後、ライトからレフトまでのダッシュを3往復、レフトセンター間も3往復、その後に短距離ダッシュとかなりハードな内容。しかしタイム差はあれど、選手全員がやり遂げるという。
この猛練習でフットワークが鍛えられ、年齢を重ねるに連れて衰えやすくなる守備力で他と差をつけている。今大会も各チーム1試合に軒並み2、3個のエラーが見られたのに対して、横須賀シニアは3試合で2個と安定した守りを見せた。
平山監督は「将来的には単独チームで優勝できるようにしたい」と抱負を語った。
「傘寿チーム結成まで現役」
息子ほど年の離れた選手もいる仲間たちから親しみを込めて「じぃじ」と呼ばれ、シニアチームの中でも一際存在感を放つのが在籍23年目の最年長・本田清さん(84)。「12人の創設メンバーが、亡くなったり病気になったりで気づけば俺だけになっちゃったよ」と若々しく笑い飛ばし、背筋をピンと伸ばして打席に立つ姿はまだまだ「現役」そのものだ。
横須賀シニア創設時は投手や内野を守り、打撃陣の中軸を担っていた。近年は右目の視力が落ちた影響もあり、守備機会は減っているが「ボールを確実にとらえて野手の間を抜いていくバッティング技術はまだ錆びてない」と平山監督からも太鼓判を押され、ここぞの場面の代打などで起用されている。
競技歴は70年以上。根っからの野球小僧だ。昨年も皆勤賞で「この20年で休んだのは片手で数えるほど」とのこと。練習前日の夜は雨が降らないよう祈っているそうだ。そんな本田さんの目標は「傘寿チームの結成」。現状のメンバーの年齢を見るに、少なくとも5年以上はかかる計算になる。まだまだ野球人生の”引退”は考えていない。
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