横須賀市は放課後の児童対策事業として、6月から市立荻野小学校で「子ども教室」を試行実施する。宿題や読書などの学習支援を主とした事業で、専門スタッフを配置。市は、試行の状況を見ながら拡充を進める方向だという。
子どもが安心・安全に過ごせる居場所として、国の「放課後子ども総合プラン」では、学校施設の活用を進めている。市内では現在、鷹取・鶴久保・津久井小学校で「わいわいスクール」として、放課後の”遊びの場”を提供している。
荻野小で始まる新規事業「放課後子ども教室」は、全児童を対象に学習支援に軸足を置いたもの。教員免許を有するスタッフを配置し、開設時間は午後4時半まで。保護者の費用負担は基本的になく、学校への迎えの必要はない。
現在、市が委託事業者の選定を行っており、担当者は「安全・安心の居場所提供が前提。預かりが目的ではない」と話す。同小学校には施設内に放課後児童クラブ(学童保育)もあり、これと連携した国の目指す「一体型」の事例としても検証。同校の実施状況を見ながら、試行校を増やしていく考えだ。
「学力向上」を優先
市では学力向上放課後教室サポートティーチャーを全校配置しており、退職教員などが個別に指導を行う。他には、コミュニティセンターで「土曜寺子屋」を展開。学習習慣の定着を目指したものだが、これに「子ども教室」を加えると、学力向上を主軸にした事業が重複することになる。
先月の市議会教育福祉常任委員会では「学習支援という枠組みを固めすぎると行きづらくなるのでは」「似たような事業が重なっており、本当のニーズを捉えられているのか」「新たな事業が加わり、学校施設の負担が大きくなるのでは」と懸念を示す意見もあった。
学童保育のニーズ拡大も
放課後の居場所に関しては、共働きやひとり親世帯の児童が放課後に過ごす「学童保育」が市内に62カ所ある(4月現在)。ビルの一室や民家などを借りて運営している学童が多く、近年では学校内での設置も増えている。
昨年まで「わいわいスクール」があった小学校では、社会福祉法人が学童保育を開設。”居場所”のニーズ拡大に対応しているが、施設運営に関わる保護者の保育料負担は平均して月1〜2万円。「利用料が高く通えない」「通える場所に学童がない」などの新たな待機児童も生まれている。
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