横須賀市の新市長に就任する 上地 克明さん 浦賀町在住 63歳
「行動する市長」を体現
○…3カ月間の激しい選挙戦を終えた翌日。日焼けした笑顔に充足感がにじむ。市議会会派の控室を訪れ、かつての同僚議員らから手厚い祝福を受けると、こう返した。「ヨコスカ復活をはじめるぞ」。本人いわく現在の横須賀は緊急事態。人口減少に経済収縮など問題が山積み。解決の方策として示したのは「国・県との連携強化」「積極投資」。市政運営のネジを巻き直して、現状打破をめざしていく。
○…脳裏に浮かぶのは、横須賀が輝いていたあの頃-。経済と文化の先端エリアとして時代をリードしながら、人情味を備えていた街の姿だ。自身は吉倉の谷戸で生まれ育った。「多様な人が移り住んで形成された歴史が街の個性となっている」。そうした場所は深刻な人口減に直面し、空き家問題が顕在化するなど、地域コミュニティの衰退が危惧されている。谷戸の再生は大きなテーマ。「ノスタルジーではなく、住まいや仕事のシェアなど現代のニーズも取り入れて新しい価値を吹き込みたい」と話す。ミュージシャンや芸術家の卵たちを谷戸に呼び寄せて、彼らの成長を後押しする「アーティスト村構想」として、具体化させていく考えだ。
○…ロックバンドのボーカリストとしてライブハウスのステージに立つ。「歌って踊れる市長をめざす」。選挙活動中のミニ集会で笑いを誘った冗談が現実となった。スカジャンなどファッションをテーマにした活性化だけでなく、若い世代の力を借りながらアニメ、サブカルといった文化発信によるムーブメントにも挑む。年齢を重ねても発想は柔軟だ。
○…「トランプ大統領に会いに行く」。米海軍基地との関係性を問われると、スケールの大きな回答で周囲を驚かせた。一等地を抑えられている対価を直接交渉でより引き出したいという。突飛な発想だが、本人は至って本気。「行動する市長」を体現していく。
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