特別支援級や養護学校に通う児童生徒は放課後、どのように過ごしているのだろうか。近年、市内でも多く見かけるようになった「放課後等デイサービス」。学校以外の居場所、自立に向けた支援など、その意義は広がっているが、一般的にはまだまだ知られていない。
学齢期(6〜18歳)にあたる障害児の支援充実を目指し、2012年に児童福祉法の改正で「放課後等デイサービス」が創設された。未就学児・就学児対象の通所支援「児童デイ」を、放課後施策として新たに制度化。「障害児向けの学童保育」と表現されることもある。教育・福祉関連等、民間企業の参入も進み、事業所数も急増している。
「子どもの可能性広げる」
今年4月現在、市内にある「放課後等デイ」は32カ所。小学生から高校生対象の施設が大半で、学校が終わってから移動支援を使って通う。市が発行する障害児通所給付費の受給者証を申請することで、保育料の保護者負担額は利用の1割となり、所得に応じて上限がある。
小川町にある「ピュア児童デイサービス」は法改正以前から通所支援に従事しており、放課後等デイでは1日あたり10人×2クラスが定員。室内・屋外での運動遊びなどの集団活動やコミュニケーション、個々の発達に合わせた作業・訓練=写真=を通して、自立に向けた生活支援を行う。平日は午後、土休日や夏休みは日中も開所。「放課後等の時間を有意義に過ごすための場所。学校と家の往復だけでなく、周りとの関わりや遊び・体験から”できること”の可能性を広げることができれば」と児童発達支援管理責任者の高橋弘子さん。「レスパイトケア(心身疲労を防ぐための家族の一時的な休息)や働いている保護者を支援するという側面も大きい」と話す。
同所は、生活支援が中心だが、他には学習に特化した施設や肢体に障害がある児童生徒のデイサービスなど、内容や特色もさまざま。状況に応じて”選ぶ”という形だ。
参入事業者も増えているが、課題となっているのは内容の充実と人材確保だという。「職員の専門性も問われている」と関係者。発達過程や障害特性の理解が不可欠で、今年4月からは資格保有者など人員基準なども厳格化している。また、一般の学童保育所でも障害児の受け入れを行っているが(市内では25カ所)、あまり知られていないのが現状。多様な受け皿だけでなく、これに関わる人材育成・研修体制や子どもの成長を見据えた「放課後支援」が求められている。
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最終回は、他自治体の取り組みについてまとめる。
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