横須賀市内の振り込め詐欺の被害が絶えない。中でも「オレオレ詐欺」の件数は今年1月から7月までで48件。昨年の同期間(23件)より被害件数が増加し、被害額も昨年を上回った。従来の振り込ませる手口に加え、手渡しさせる「手交型」と呼ばれる犯行が多数報告されているという。
横須賀署のまとめによると、市内の今年1月から7月までの振り込め詐欺の被害件数は70件で、昨年の同期間(33件)に比べ37件増加した。被害額は約1億2700万円にもおよび、昨年の同期間(約9800万円)を約2900万円上回る数字となった。
振り込め詐欺の一つ「オレオレ詐欺」の手口は「従来の振り込ませるケースに加え、手渡しさせる『手交型』が増えている」と同署生活安全課担当者。息子や孫をかたって「会社のカバンをなくした」「不倫相手を妊娠させてしまった」など、周囲に相談しづらい内容の話を持ち掛けた後、「代わりの者に取りに行かせるから」と被害者に直接お金を用意させるケースが多いという。
カード奪取が急増
近年、キャッシュカードをだまし取られる被害が急増している。警察官、金融庁・銀行協会・金融機関の職員の他、大手百貨店の従業員などを装って「あなたのカードが偽造されている」「古くなったカードを預かりに行きます」などと持ちかけ、被害者の自宅に訪問。「手続き上、暗証番号を教えてください」と言葉巧みに聞きだし、口座のお金を引き出すというもの。市内では「印鑑が必要なので持ってきてください」と被害者がその場を離れた隙に、偽物のカードと交換するという巧妙な手口も報告されている。
「架空請求」「還付金」が倍増
「オレオレ詐欺」に次いで被害件数の多いのが「架空請求詐欺」だ。契約した覚えのない商品やサービスをあたかもどこかで契約したかのように見せかけ、架空に請求しお金をだまし取るというもの。昨年同期間よりも7件増加した。
同じように2倍以上に被害が増えているのが「還付金詐欺」。電話で市役所や税務署の職員をかたり「医療費の返済があります。今日までの期限なので早くATMで手続きをしてください」などと言って、人目に付きにくいコンビニや無人ATMに連れ出しお金をだまし取るというもの。今年7月までに10件の被害があり、昨年の同期間(4件)より6件上回った。
官民連携で対策
市内の金融機関では、疑いのある人への声掛けを実施。また「それは詐欺です!」という文言が入ったマットを設置するなど、警察と連携して防犯への取り組みを強化している。
先月には、横須賀署と郵便局、所管内の企業・団体が、くじ付き暑中・残暑見舞いはがき「かもめ〜る」を使った詐欺撲滅対策を実施。地元15企業・団体からの協賛金で7200枚を作成した。はがきの裏面には「警察官や銀行員がキャッシュカードを預かることはありません」などの注意喚起の文言と同署の連絡先を掲載。詐欺が多発する地域に投函を依頼した。
市では、窓口に寄せられた不審な電話に関する情報を専用のSNSで紹介。他にも、ごみ収集車での啓発アナウンスや警察と連携した駅前でのキャンペーンも行っている。
県警では、音楽ユニット「Eyes' with Yuuki」が撲滅ソングを歌い、注意喚起する取り組みもある。
同署担当者は「不審な電話は最寄りの警察署、または市役所市民安全部地域安全課まで」と呼びかける。
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