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衣笠山公園 樹勢衰退 桜開花に影響 回復に取り組み続く

文化

掲載号:2018年3月9日号

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空洞化した桜の樹に薬品を塗布する
空洞化した桜の樹に薬品を塗布する

 「日本さくら名所100選」の一つでもあり、2000本を有する衣笠山公園では近年、樹の老朽により、桜の開花が危機に瀕している。これに対し、樹勢回復に向けた取り組みが4年前から続けられている。

 近隣住民らが桜の異変へ対応に乗り出したのは約5年前、「さくら祭で花が咲いていない」と市民から声が寄せられたことがきっかけとなった。当時はまばらな咲き方をする樹が今以上に目立っていたという。公園を管理する横須賀緑化造園協同組合によると、日照条件や経年などで樹が弱り、亀裂の入った幹の中をアリやゾウリムシといった虫が食い荒らして空洞化させ、長年白カビが幹に付着してきたことなどが主な原因。また「てんぐ巣病」と呼ばれる、開花を妨げる樹の伝染病が園内に拡がったことも、桜の弱体化に影響を及ぼしているという。

 その危機を打開しようと2014年から衣笠地域運営協議会の中に「樹勢回復部会」を設立。依頼を受けた同公園指定管理事務所のメンバーらが樹勢回復に向けた取り組みと調査を毎年実施してきた。

回復への第一歩

 まず、日照条件を良くするために間引きを実施。幹に白カビが付着して「サメ肌」と呼ばれる状態になったものは洗浄し、空洞化している樹木には一度虫を取り除き、殺菌作用のある墨汁を調合した薬品を年に1度ほど塗るなどして治療を続けている。

 また、調査では園内で目に入りやすい樹木を対象に、1本の枝先に芽生える蕾の数を目視で計測し、「多」「中」「少」「無」の4段階に選別。調査を開始した14年には「多」の分類が全体の半数ほどであったのに対し、地道な努力の甲斐があって昨年4月には65%を超えるほどにまで回復した。

 桜の治療や研究を続けてきた同事務所の新倉正一さんは今年も開花する蕾を数え、「昨年の桜と比べ、もう少し良い咲き具合になるのでは」と期待を寄せる。

 一方で早川守所長は「樹の回復にはまだ数十年かかると思われ、長い目でメンテナンスを続けていく必要がある。また、桜の樹にも寿命があり、ここまで弱った老木を最盛期のように完全復活させるのは難しい」と話す。

 取り組みを続ける中で、回復を見切って抜根され姿を消す老木も少なくない。そのため同部会では名所の姿を後世に残そうと、抜根後に新たな苗木の植樹も並行して行っている。

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