野比の中村町内に伝わる「虎踊り」が今月4日、白髭神社で披露され、夏の一夜を盛り上げた。2年に一度、同神社下の広場に舞台が組まれ、着ぐるみの虎芸を地元保存会のメンバーらが演じている。
「野比の虎踊り」は、近松門左衛門の「国姓爺合戦(こくせんやがっせん)」に材を取り、歌舞伎や唐人踊り(カンカン踊り)を採り入れた民俗芸能。1720年に奉行所が伊豆下田から浦賀に移った時に伝えられた「浦賀の虎踊り」との関連性が推察されているが、経緯などを含めて確かな記録は残っていない。保存会によれば「1856年に中村で初めて演じられた」との古老の言い伝えがあるという。
舞台では暴れる虎を成敗する「和藤内」と「太唐人」が引き連れた「唐子」の手踊りで展開。全体の構成は類似しているが、ストーリー性の高い浦賀に対して、野比では「玉あそび」「しらみ取り」「一本杉」などの芸の披露に力点が置かれている。登場する虎の数も浦賀の2匹に対して、野比では1匹のみとなっている。
今回は虎の演じ手として地元の中学生6人が参加、伝統の担い手として2カ月間、練習を重ね舞台を踏んだ。
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