地元金融機関の湘南信用金庫は今月20日、人材紹介・職業体験イベントを企画運営しているベンチャー企業の株式会社仕事旅行社（本社＝東京都港区新橋）と業務提携したと発表した。人材不足や企業ＰＲに課題を抱える同金庫の取引先に仕事旅行社のサービスを紹介する。求職者に職業体験の機会提供を行うなど、これまでとは違ったアプローチで中小企業の採用活動を支援する試み。伴走型の経営サポートを強化する。
就職環境の改善や少子高齢化などを背景に、中小企業の多くが「人手不足・人材不足」に悩まされている。ハローワークへの登録や求人情報を広告媒体に掲載する従来型の採用活動では、欲しい人材を獲得できない現実があるという。
仕事旅行社では、昨今人気を集めている体験型旅行に着目。各種の職場を体験・見学ができる場所として公開するユニークな手法で就業のきっかけを提供している。
採用を行いたい企業が同社のＷＥＢサイトに有料で情報掲載し、職業体験を希望する求職者を送り出す仕組み。同金庫は人材を獲得したい取引先と同社の橋渡しの役割を担い、魅力的な体験メニューづくりなどのアドバイスを行う。
同金庫営業統括本部 地域活性課の林健太郎さ んは「資金提供だけでなく、多面的な角度で取引先のサポートを行っていくことが狙い。人材不足は今日的課題。解決策の一つとして提案していく」と今回の取り組みの意義を話している。
仕事旅行社のサイトには、「おためし転職」「仕事旅行」の２つがある。前者は１日から数カ月の期間で求職者に職業体験してもらうもので、仕事の魅力を直に伝えることができる。適正判断や採用後のミスマッチを防げるという。後者では憧れの職業や興味がある職種の体験を募っている。職種は西陣織職人、探偵など約１４０項目ある。
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