2000年代の横須賀のライブハウスシーンをまとめた『横須賀 俺たちの時代』を手掛けた 福島 浩幸さん 公郷町在住 34歳
叫ばずにいられない
○…「けたたましいギターの音と汚いライブハウスの空気」-。それが今も終わることのない音楽に捧げた青春のすべてだ。2000年代中盤に結成したロックバンド「天宝-tenhou-」の活動軌跡と時代の空気を1冊にまとめた。15年間続けてきたバンドはここ数年、休止の状態だが、再び立ち上がるために失っていた記憶を呼び覚ました。「懐古趣味ではなく、過去から学び今を作りあげるための挑戦です」
○…「名前も知られていない、売れてもいないバンドの物語に一体どんなニーズがあるのか」。そんな思いを抱きながらの執筆は、苦しさと楽しさが交互に押し寄せた。綴った中身は自身の音楽的な目覚めから始まり、ギターを手にした時の高揚感、バンド結成後、横須賀のシーンのメインに躍り出た頃の話題が中心。互いを認め合うライバルやライブ後の打ち上げのハチャメチャな行為も赤裸々に文字にした。
○…物事は継続こそが難しい。音楽性の違い、環境の変化、経済的な事情、人間関係等々、多くのバンドが活動休止や解散に至るまでの過程をあらたかた経験してきた。現在、自身の音楽活動も会社員との二足のわらじ。ただ「音楽という大枠の中に、仕事や生活がある。このスタンスだけ変わらない」と気負いがない。
○…今回手掛けた本には、ソロプロジェクトとして発表した新音源3曲も添えた。「君のために」と題した曲は、新しい一歩を踏み出そうとしている人の背中を押す応援ソングだが、自分を鼓舞するメッセージとも受け取れる。これからライブを中心とした活動を加速化させていく。横須賀でバンドをやっている人、これからやろうとしている人の導火線に火をつける役目も自任する。「俺たちの時代」の第2章の狼煙をあげる。
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