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【連載─【3】】「猿島」秘めたる可能性 五感を呼び覚ます場所
暗闇の世界でアートに触れる。夜の無人島・猿島で開かれている「Sense Island-感覚の島-暗闇の美術島」は、驚きの仕掛けや光を駆使して幻想さを際立たせた作品がいくつも飾られている。これらの表現を若き美術家たちはどう受け止めたのか。横須賀総合高校美術部メンバーにレポートしてもらった。
わかりやすいもの、伝わりやすいものが求められる風潮の中で、「現代アート」は少々難解な印象があります。作品には作者が発するメッセージが潜んでいます。表現を通して世の中に何を問いかけているのか─、今回のアートプロジェクトで企画者の狙いは何か─。それらを考えながら4人のメンバーで島内をめぐりました。
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真っ暗な島内の坂道を歩き出すと、月明かりで照らされた景色が少しずつ視界に広がっていきます。五感にスイッチが入るような感覚。歩を進めるごとに出現する作品は、自然との一体化を試みたもの、スピリチュアルな雰囲気をまとったもの、空間や光と影を巧みに操ったもの、と驚きの連続。目には見えないものを感じる、人の意識の死角を突くテーマにハッとさせられる場面が多々あり、それぞれの作家性が存分に発揮されていました。表現の多様性も肌で感じることができ、今後の創作活動で自分の表現をもっと広げたいと率直に思うことができました。
夜の猿島というシチュエーション。弾薬庫やトンネルの雰囲気はまさに異空間そのもの。アートと夜の無人島が一体となったひとつの作品であるようにも思えました。この空気感をもう一度味わってみたい。できれば少人数でじっくりと。レポートをまとめながらそんな気持ちに浸っています。
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