戦前は輝かしい軍歴を誇り、敗戦間際に海軍大将となった井上成美(しげよし)の人物像に迫る公開講座が先月30日、田浦港町の海上自衛隊第2術科学校で行われた。1966年に録音されたと思われる井上のインタビューテープの一部公開もあり、半世紀ぶりに肉声がよみがえった。
敗戦で軍艦を降りた後、長井で暮らした井上。昭和20年代、自宅を利用して開いた英語塾に通っていた塾生の都築とし子さんが井上との思い出や教えを語った。
当時の井上は軍人恩給を受けられず窮乏生活を送っていたという。これを見かねた地域の人らが野菜や魚などを届けたが、中々受け取ろうとしなかったエピソードを紹介。英語塾にテキストはなく、井上が手作業でわら半紙にプリント。授業後には手作りのクッキーや蒸しパンを振る舞い、自らギターを爪弾き『オールドブラックジョー』を披露してくれたことが忘れられない記憶だとした。
披露された音声テープには、英語教育の大切さを説く言葉が吹き込まれていた。「英語を話せない海軍士官では、世界に通用しない」などの戦中から唱えていた強い意志を垣間見せた。
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