横須賀市役所本庁舎の地下1階旧食堂スペースについて、利活用事業者が決まった。昨年10月から募集していたもので、プレゼンテーション審査の結果、市内外で飲食事業を営む有限会社たのし屋本舗に決定した。コンセプトは「生産者の困ったを解決する、横須賀のセントラルキッチン」。三浦半島の農産物を使った加工場などを設け、ホールスペースは交流イベントにも活用する計画だという。
全国でも類のない庁舎利用
市役所の地下スペースは本庁舎が新設された1985年から食堂として使われていたが、利用者の減少などにより昨年2月に事業者が撤退。市では食堂再開を模索したものの市場性の有無などから公募を見送り、現在は、市庁舎内の会議室不足を受けて、職員用の打ち合わせスペースとして利用している。
市は昨年10月、食堂としての用途に限定せず「市民と市職員のための利活用」やよこすか再興プランで掲げる「横須賀の『おいしい食』を生かした地域経済の振興」などに取り組む事業者を企画提案方式で募集。12月に審査を行い、有限会社たのし屋本舗(下澤敏也代表)が選ばれた。
同社は、横須賀ビール(大滝町)やうれしたのし屋(追浜町)のほか、横浜市内で三浦半島の農水産物をメインとした飲食店を運営。傷などがあり市場に出回らない野菜や自社の関連する畑で栽培している農産物をペースト・ピューレや粉末にしたり、ドレッシングなどの製品に加工したりする「コミュニティラボ(Co─Lab(コラボ))」も設けている。
今回の地下スペース利活用では、横浜市内にあるこの加工場を移転。今年度中の稼働を目指し、従来の事業に加えて、海軍カレーのレトルトパウチ製造や生産者からの委託加工も行っていく。
体験講座も企画
「生産から加工・販売まで三浦半島内で完結できる。それが市の中心部に集約できるのは大きい」と下澤代表。これまで横浜と行き来していた物流コストも軽減。加工の現場を社会科見学できるような仕掛けも考えているという。ホールでは、加工品や飲食物の販売のほか、コミュニティスペースを設け、料理教室や体験講座、交流イベントなども実施していく計画で「生産者をつないで、横須賀の食に関する発信基地にしたい」と話している。
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