「オレオレ詐欺」をはじめ、主に高齢者をターゲットに全国各地で未だ被害が収まらない「特殊詐欺」。横須賀市内も例外ではない。手を替え品を替え、日々進化する巧妙な手口で市民を狙う卑劣な犯罪に対し、どのような対策を講じれば良いか。市内の警察3署から犯行の手口と未然に防ぐためのアドバイスを聞いた。
まず「特殊詐欺」とは、犯人が電話やハガキ等で親族や公共機関の職員等を名乗って被害者を信じ込ませ、現金やキャッシュカードを騙し取ったり、医療費の還付金が受け取れるなどと言ってATMを操作させ、犯人の口座に送金させる犯罪を指す。現在は親族を装う「オレオレ詐欺」をはじめ、有料サイトや消費料金等の未払い金を求めて裁判通知を装ったハガキ等で脅し金銭等を騙し取る「架空料金請求詐欺」、警察官や百貨店の職員などを名乗ってキャッシュカードをすり替え盗み取る「キャッシュカード詐欺盗」など、大きく10種類に分類。中でも市内では特に「オレオレ詐欺」と「キャッシュカード詐欺盗」の全体に占める割合が大きいという。
減少傾向でも注意
これら特殊詐欺は時期やエリアにより認知件数の増減がみられるものの、今年に限り横須賀市内3署での認知件数と被害総額は前年同月比でいずれも減少傾向にある。要因としてコロナショック以降、テレワークや外出自粛要請によって同居家族の在宅時間が長くなったことなどが考えられるが明確な理由は不明。一方でコロナ禍の時世を背景に「出勤できず副業に手を出し、失敗した。会社の監査が入りクビになる」などと窮状を付け加えて助けを求める新たな手口も発生。県内他エリアではガス点検や訪問販売を装った強盗事件も発生している。減少傾向にあるとはいえ、過去には認知件数が急増した例もあり、引き続き十分な注意が必要となる。
水際での対策徹底を
市内3警察署では現在、地元町内会や企業、外郭団体などと協力して注意・啓発活動を独自展開。家庭内でできる防衛策として通話を自動で録音でき、番号表示される「迷惑電話防止機能付電話機」の買い替えを推奨している。
3署は「特殊詐欺の犯人からの最初の接触はほとんどが電話。通話時に録音電話機であることを犯人に示すことで抑止力にもなり、仮に被害に遭っても録音音声が犯人逮捕への手掛かりになる。知らない番号からの電話や儲け話、怪しいメールなどは絶対に開いたり返信しないようにしましょう」と注意を呼び掛ける。また「被害発生の入り口となる電話や不審者訪問時、普段から家族間で密なコミュニケーションをとっていることも非常に大きな効果を発揮する。金銭を要求する怪しい連絡があった場合、まずは電話を切って本人へ直接電話をかけ直すなどの自己防衛策を普段から心がけ、警察へも躊躇せず連絡して欲しい」とうったえた。
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