横須賀市が2021年7月の開設を目指しているフェリー航路(横須賀港―北九州港)。これに関して、港運事業者や近隣住民から不安や反発の声があがっていることを受け、市は今月2日の市議会都市整備常任委員会でこれまでの経緯と今後の対応を説明した。
都市整備常任委員会での説明は、市議会からの求めで行われたもの。工事の白紙撤回要望や訴訟などの事態に至っていることを受け、同計画の庁内プロジェクトを代表して田中茂副市長が、「各方面に心配をかけていることをお詫びする。地域への説明が不十分であったことを申し訳なく思う」と謝罪した。これに続けて、「新航路開設は市の再興プランの一つであり、海洋都市実現のための大きな一歩となるプロジェクト」だとして、「課題には丁寧に対応し、ひとつひとつ解決していきたい」と話した。
陳情は「趣旨了承」
これまでの経緯について市は、2018年12月にフェリー計画の記者会見を行った時点で「フェリー事業者の具体的な計画が未定で、港運事業者との調整が整っていなかったことから地域への周知ができなかった」と釈明。今年1月には横須賀港運協会から反対表明があり、市では対応する庁内プロジェクトを立ち上げた。その後、2月に開催した事業者向け説明会で、近隣町内会に参加を呼び掛けたという。
9月に入り、近隣マンション住民から説明会を行うべきとの要望があり、開催中の12月市議会には「就航による市民生活への影響についての陳情」も提出された。内容は周辺道路の渋滞対策、大型トレーラーの待機場所・不法駐車と騒音や排気ガスの問題、フェリーと埠頭を結ぶ鉄板車路の騒音、夜間の搬入搬出作業に伴う光害、夜間作業の騒音の5項目で、市に対策を求めていた。
同委員会では、この陳情についても審査。市側は、2月に行った周辺の交通量調査をもとに、トレーラーの台数や車の導線などの想定を提示し、交通誘導員の配置などの対策を説明。騒音の問題についても今後関係機関などに調査を依頼し、報告していく考え。陳情については、住民の理解を得る努力を行うべきとして全会一致で「趣旨了承」とした。
これを受けて、陳情を提出した地元住民は、「趣旨を理解してもらえたのは大きな成果だが、工事は止まらず進んでいる。要望した各項目については、今後も注視していかなければならない。数字上で課題をクリアしたとしても、協議会の設置など、引き続き住民参加による検証も求めていきたい」と話している。
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