第84代横須賀市議会議長に就任した 大野 忠之さん 大矢部在住 61歳
人への「感謝」原動力に
○…「多くの議員に推挙いただき、改めて職責の重さを感じている」。初当選からちょうど10年、市議会議長に就任した。議会内のコロナ対策協議会では委員長を務め、市に提言を行ってきた。「議会の本分が発揮できているか。コロナ禍の今、政治の役割を痛感している」
○…「私の財産は、人」。専門学校卒業後、調理師として米海軍基地のレストランに就職した時のこと。皿洗いをしながら見回すと、多くの日本人が働いていた。「就労環境は対等なのか」。そんな疑問が芽生えた。「交渉」というカードを持てるよう、独学で英語を学んだ。コック長、マネージャーに昇格し、さらに、基地司令部民事部長、司令官付民事補佐官を歴任。現場の”繋ぎ役”として奔走した。「経営や経済について多角的に勉強させてもらった。自分を引き上げてくれた周囲の人々と環境に感謝している」と語る。
○…在任中、もうひとつの転機もあった。福祉のセミナーに参加し、アメリカの取り組みを知った。関係者の話を聞く中で、地元での必要性を痛感。これまでと全く畑違いではあったが、グループホームやデイサービスの事業を興した。議員を志したのも、「経験をもとに街の将来を考えたい」という視点から。「常に前向きにチャレンジする性格。感謝の気持ちで、誠実に生きていればなんとかなる」と朗らかな笑みを見せた。
○…議長就任の翌日、小学生の子ども2人から、お祝いの手紙をもらった。父として市議の仕事は「安心安全で過ごせて、街を良くするために考える役割」と伝えている。俯瞰する視点とリーダーシップが求められる議長職。これまで培ったバランス感覚で、市民に寄り添った議会を目指していく。
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