横須賀中央駅付近で静かにたたずむジャズメンの銅像たち。「ジャズの街ヨコスカ」を視覚で捉えることができるシンボルのひとつだ。
この銅像は1989年に市が設置した。そのキーマンが三春町出身で当時広告代理店に勤務していた岩堀恭一さん。小学生の時、父に手を引かれてEMクラブでビッグバンドの生演奏を観た。「瞬きすらできないほどの衝撃だった」と以来、ジャズの虜に。それから約30年、街の風景も変化する中、戦後ジャズの拠点だったEMクラブも解体へ。市の文化財団諮問委員という立場にあり、「ジャズの息遣いを残していきたい」と87年に市制80周年のプレイベント、三笠公園での野外ライブ「ByeBye EMクラブコンサート」の実現に導いた。その際に市に提案したアイデアが街中の「モニュメント(銅像)」。ベンチに腰掛ける像が4基、97年にはYデッキの完成に合わせ3基設置された。88年から同じ会場で開かれるようになった「ヨコスカジャズドリームス」のプロデューサーも7年間務め、「野外での生のジャズ」にこだわった。
ジャズが聞こえる街に
その後「ジャズドリームス」は毎夏の恒例ライブとなったが時代はロックやレゲエへ。「ジャズの灯が消えてしまう」と危機感を抱いた市民有志が2016年、「ヨコスカ・ジャズ協会」を立ち上げた。街角でのライブを通して「ジャズを共通語にしたい」と「ヨコスカ・トモダチJAZZ」と銘打ったイベントを実施。最近では、ライブ動画のネット配信や若手演奏家の発信にも力を入れ、ジャズを基点に地域交流や連携を期待する。「当初、街の反応は地域活性化にジャズを用いることに懐疑的だったが、徐々に賛同の輪が広がった。老いも若きもスウィングするかつての賑わいを取り戻したい」と会長の亀崎昌義さん。今秋には「シティサポートよこすか」に協力し、記念艦三笠でのライブを企画中だ。今後も「ジャズの音色が聞こえる街」を目指し、発信していく。
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