コロナ禍で大きなダメージを受けた業態の一つが居酒屋。営業時間の短縮やアルコール提供の制限が解除された今も客足の回復は鈍く、加えて人材確保難や食材の高騰など営業を取り巻く環境は依然厳しさが続く。こうした中、老舗炭火串焼き専門店「忠孝」(若松町)などを展開する有限会社忠孝は、飲食業から得たアイデアを形にするモノ作りを経営の新たな柱に据え始めている。
代表取締役の小金肇さん自身も炭火焼き職人であり、ガス火や電気加熱が主流の中で炭火焼きにこだわっている同社。だが炭を扱う職人を育てるのには最低でも2年を要し、その人材確保が年々厳しくなっている。そこで小金代表は自身の経験を基に2年前から、自動で炭火串焼きを調理できる業務用機器の開発に着手。試行錯誤を繰り返し、現在もより使い勝手を良くしようと日々進化させ続けている。そこには自社の生き残りだけでなく、「炭火焼きの食文化を後世に残したい」「ノウハウのない高齢者や障がい者でも職人と同じように働ける仕組みを作りたい」という思いも込めた。補助金も活用して開発費に約1300万円を投資、現行機で1台約600万円で販売予定という。この炭火串焼機のほか、日々湧き上がるアイデアも形にしようと、日夜研究と製作に汗を流している。「商売の形はどうあれ、世のため人のために忠実に孝行するのがモットー」と小金代表は笑みをこぼす。
【企業DATA】1958年創業/従業員数40人/若松町3の12/【電話】046・822・4174
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