今夏開かれた「第21回手づくり紙芝居コンクール」ジュニアの部で、公郷小4年の小野寺紬さんが優秀賞を獲得した。
日本文化である紙芝居を普及しようと、「紙芝居文化推進協議会」が主催。全国から85点の応募があったジュニアの部で8点が入賞し、横須賀からは初選出となった。
小野寺さんのタイトル名は『うぐいす店』。店長のめじろさんが営む和菓子店にある日、1羽の文鳥が訪れた。閉店直前の暗闇の中、どうやら迷い込んだようで、めじろさんは、文鳥がくわえていた花をヒントに新商品「てまりぎく」を考案。「お客さんの喜ぶ顔が何よりのお代ですから」と言って、それを無償で文鳥に持たせ、お別れするというストーリーだ。
11月27日には、神奈川県立青少年センター(横浜市西区)で作品展示と表彰式が行われたほか、小野寺さんが舞台に立って実演。美しい情景が目に浮かぶ8コマの描写を披露し、観客から感嘆の声を一身に浴びた。
小野寺さんは「お花の和菓子の絵がお気に入り。賞を取れると思っていなかったから驚いた」と照れ笑い。池田町在住で紙芝居作家の佐藤まもるさんは「力強い線と類まれな発想は目を見張るものがある」と評した。
双子姉妹で応募
小野寺さんは双子で、妹の絹さんも応募。面倒くさがりの鳥が荒れ果てた故郷を復活させる『めんどくさがりやの鳥』という物語で残念ながら選にもれた。絵本好きの2人は母の美帆さんの勧めで今夏、横浜で開かれた紙芝居作り講座に参加。制作の喜びを見出しながら約1週間でそれぞれ今作を完成させた。2つの作品の共通点は「鳥」。自宅で飼っている文鳥や近隣に流れる平作川で羽を休めるカモやサギなどの姿が、作品のイメージを膨らませた。
祖母譲りの想像力
小野寺姉妹の祖母は、和風ドールハウス作家の高橋勝美さん。かつて北久里浜にある和菓子店「さかくら総本家」の製造部門で働いていたことから、放課後、根岸町の高橋さん宅で過ごす中で、和菓子の話を聞いた紬さんが着想を得た。今では画用紙やタブレットに絵を描くのが習慣となった姉妹。早くも来年の出展に向けて構想を練っているという。
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