長閑な風景が広がる林エリア。ここに永野亜由美さん(34)が管理する「あゆちゃん農園」がある。3・5ヘクタールの敷地でトマトやキュウリなど年間100種類以上の野菜を栽培している。
米国の大学を卒業後、IT企業に勤めていたが3年前、農家を営む父・茂樹さんが腰痛に悩まされていることを知り、家の仕事を手伝うように。「初めは知識も技術もなかったので苦労の連続。おっちょこちょいで、土と同じ色の種をひっくり返したり」と失敗談を語るが、いつしか野菜作りに強い愛情を注ぐようになり、縦横無尽にトラクターを操縦する姿も様になってきた。「オシャレするとモチベーションも上がる」。ワークウェアブランドのアンバサダーとして、作業服の着こなしにも気を遣う。
厳しい寒さの中で収穫した約2万個ものタマネギの山。会社員の夫も帰宅後、袋詰めに協力する。「家族との一体感や他の仕事とはまた違う達成感が得られる。心地良い疲労感で、ぐっすり眠れるし」と喜びと誇りを持ちながら充実した日々を過ごしている。
農業で活躍する女性を推進する農林水産省の「農業女子プロジェクト」にも参加。「映え」を意識した色鮮やかなサラダのレシピをSNSで公開し、消費者と交流する。持ち前の英語力を活かし、機械化が進む海外の農業者たちともつながり、作業の効率化など情報収集に余念はない。
今後の目標は、農業を通じた国際交流。「世界中の人に収穫体験や調理実習、マルシェを開いて地場野菜を味わってもらったり。横須賀の魅力を伝える懸け橋になって大きな輪を広げたい」と話し、「やりたいことはいっぱいある」と両手で弧を描いて見せた。
|
<PR>
横須賀版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|