ロケーションサービスという仕事がある。映画やドラマ、CM、雑誌などの撮影コンセプトにあった風景や場所を見つけ出し、使用許可の交渉までを一手に引き受ける業務だ。現在、劇場公開中の『冬薔薇(ふゆそうび)』は、浦賀ドックや西浦賀、ヴェルニー公園、ドブ板通りほか市内各所がロケ地として使用されている。これの撮影現場を支えたのが、(株)ヨコスカロケーションサービス(=スカロケ)代表の藤城弘紀さんだ。
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藤城さんは、大手通信会社を30代で退職し、南太平洋のトンガで食品ビジネスの現地コーディネーターとして活躍。今の仕事につながる人と人、人と場所をつないで何かを生み出すスキルを身に着け、2018年に横須賀・三浦半島のロケーションを映像制作会社などに紹介する会社を立ち上げた。
サポート実績は枚挙にいとまがない。同社のホームページには、バラエティ番組『THE突破ファイル』、サントリービールWEBドラマ『上京エール』、アイドルユニット「AiRBLUE」のミュージックビデオ制作など、これまでに携わった仕事を紹介している。
藤城さんによれば、新型コロナの発生以降、制作会社が都内近郊でのロケを求める傾向が強まっており、海山の自然、都会と田舎の両面性を持った横須賀・三浦半島が俄然注目を集めているという。横須賀市もロケサービスを設けて撮影場所の相談に応じているが、民間施設などを使用する場合に料金交渉ができないため、藤城さんがその部分を引き受けている。
ただ、制作会社のオーダーは一筋縄でいかない。「学習塾が1階にあるテナントビルの一室」「空き家となっている古民家」「病院のワンフロアを丸ごと」など、どんな球が飛んでくるかわからない。条件を満たす場所を探し、シビアな交渉を重ねて、作品として使われた時の喜びがやりがいだという。現在は久里浜を会場にした一大音楽イベントの開催を夢想。可能性を求めてロケハンを行っている。
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