「全国消防職員意見発表会」に横須賀市消防局職員初の出場を果たした 山口 真生子さん 市内在住 27歳
命は一人のものじゃない
○…消防職員が現場で感じたこと、それを踏まえた改善提案などの意見を発表する全国大会で入賞。会場で熱く訴えかけた堂々たる姿とは異なり、出席した市の記者会見では緊張した面持ちで肩を竦めていた。「まさか自分が選ばれるとは。本番も緊張していたけれど、自分の本心が皆さんに受け入れられたと思うと嬉しい」と目を細める。
○…消防士を志したきっかけは自衛官だった父親の背中から。仕事柄転勤が多く、自身も全国で転校を繰り返し、横須賀に越して来たのは中学2年生の頃。高校卒業前の進路を決める際、父と同じ道へ進む兄に続くべきか迷った。美術にも興味があったものの、「人の命に携われる仕事を」と、救急救命士へと人生の舵を切った。
○…救急救命士の任務は肉体的にも精神的にも決して楽ではない。危険な現場に身を投じ、傷病者と共に自分の命を守らなければならないからだ。時には死亡者の生活に触れる必要もある。生死を分ける人生の分岐点に立つ仕事。「例え寝たきりで生きているだけでも周りの人と繋がっている。命への責任は自身だけではない」。これが勤続7年目でたどり着いた「生きる意味」だそうだ。
○…発表会では非番時に突然目の前の人が心肺停止に陥る現場に遭遇した場面での心境を吐露。自身でさえ不安や恐怖を強く感じたことから、市民への精神的負担軽減のための救命講習の大切さを訴えた。慣れない発表は同僚や上司らが三浦署を挙げてサポートしてくれた。「真面目」「後輩の良き理解者」「失敗を恐れず常に前向き」と周りは声を揃える。まだまだ女性が少ない職場だが、これからも現場を志望。命に向き合う。彼女を表す言葉はこれだ。
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