ガイドブック『鎌倉&三浦半島 山から海へ30コース』を手掛けた 樋口 一郎さん 深田台在住 57歳
狭いエリアに詰まった魅力
○…山と海の自然と歴史を同時に楽しむことができる鎌倉・三浦半島の山歩き。
「午前中に出発すれば午後には別の用事を片付けられる。首都圏からのアクセスなら下山後に別の観光スポットも巡れる。年配者にもぴったり」─そんな手軽さを「半日ハイク」と命名。自身が仕立てた30本のおすすめコースを1冊のガイドブックにまとめた。
○…無類の登山好き。20代のはじめ、仲間のすすめで自然の中に身を置く楽しさに目覚めた。若い頃はカメラを手にして厳冬期の雪山にも足を踏み入れたが、齢を重ねて「無理はしない」が行動様式に。と、同時に興味を抱くようになったのが三浦半島や湘南地域の山と海の連なりだ。「登れば展望は海、下れば海岸線が広がる」。一般に登山は山頂をめざすことこそが最大の目的で道中の景色は意外と単調。だがここでは、「街や里を歩いているといつのまにか一気に山奥に踏み込んでいる。戸板一枚で別世界。”どんでん返しの妙”が味わえる」。地形の特異さに加え、点在する歴史の痕跡など、楽しみ方の幅広さを称して「身近な秘境」と熱っぽく語った。
○…穏やかな口調で人柄の良さがにじみ出るが、本人いわく「あまのじゃくな性格」。山歩きも通り一辺倒では満足できない。愛好者なら誰もがめざす「日本百名山」を徹底分析して、既存ルートの逆回りに挑むなど、ユニークな視点を盛り込んだコラムを山岳関連の情報誌で連載していたこともある。
○…今回発行したガイドブックは、6年前に手掛けた内容の改訂版。このエリアは、開発と自然保護のせめぎ合いで「きわめて動的」。三浦市に整備された小網代の森などは「保護活動とリンクした観光スポットの好例」と話し、地域活性の新たな可能性を感じているという。緻密な地形に里の風景、変化に富んだ海岸線。「豊かな自然を守り、活かすことで人を集めることができるはず」
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