二町谷埋立地 アイデア出し解決策探る 市民による討議会
企業誘致が進まず、市の財政を圧迫している二町谷埋立地問題をテーマに市民が解決策を出し合う「三浦市民討議会」が11日、三浦市三崎水産物地方卸売市場で開催された。三浦青年会議所(三浦JC 市村真理事長)と三浦市とつくる実行委員会共催。参加した市民からは、レジャー施設建設案や次世代エネルギー設備案など多くの案が出された。
三浦JCは08年から、市民から無作為に選び参加者を募り、討議会を開催している。今までは、防災関連やボランティア、高齢者の生きがいのあるまちづくりなど、特定の問題以外のテーマを扱ってきた。
今年は初めて、市の課題でもある二町谷埋立地をテーマにした。背景にあるのは、同埋立地問題を知らない市民がいること。「JC新入会員にも知らない人がいたことに危機感を感じた」と実行委員会の蛭田健委員長は話す。
討議会には18人の市民が参加。参加者は、資料をもとに埋立地の概要が説明され現地を見学後、討議を行った。
三浦海岸近くに住む高橋さん(38)は、「子どもが小さいので、次世代に残さないように早く解決させたい」、三崎に住む永澤さん(65)は「このような討論をする機会をもっと早く開くべきだった」、諏訪町に住む立川さん(38)は、「地区が違うと、問題になっていることも知らない友人もいる。私が知らせ問題を共有したい」と話していた。
各グループからは「企業誘致するにも交通の不便さがネック。交通網の整備が必要」、「アミューズメント施設の誘致」、「次世代エネルギー関連施設」、「キャンプ場などレジャー施設の整備」など、施設建設で利用を促す案が出された一方、「埋め立ての失敗を認め、自然に戻すモデルケースとして逆にPRしては」といった新たな視点での意見も出された。
これらの案は、市に提出するほか年内中に三浦JCのホームページでも公開される予定。蛭田委員長は「埋立地問題は、市の財政の根幹に関わる課題。広く市民が知る機会になれば」と期待を寄せている。
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二町谷埋立地は、1996年、活漁流通基地の整備を目的に県と全国漁港・漁村振興漁業協同組合連合会、三浦市土地開発公社の3者によって埋立て事業は進められ、07年度から販売を開始した。
工事着手から完成までの間、水産業を取り巻く状況の変化で土地の売却が当初の予定通りいかず、売却はゼロ。市は10年に公社を解散。公社が借入れていた費用約105億円は市が引き受け30年かけて償還していく。23年度末時点の残高は約103億円。現時点で売却の決定はない。
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