戦争遺跡で歴史を体感 城ケ島砲台地下壕を探索
城ケ島に残されている戦争遺跡を探索し、平和について考える「城ケ島砲台地下壕探索会」が8日に行われ、市民ら28人が参加した。参加者は、砲台跡の見学や普段は入れない地下壕に入り戦争の歴史に触れた。三浦まちづくりの会(田中健介会長)主催。
まちづくりの会は、三浦市を良いまちにしていこうと活動している会。市内に残る歴史的な場所などをガイドするツアーを約2年前からおこなっている。
今回の探索会は、太平洋戦争の開戦日に合わせて企画された。東京湾要塞地帯だった城ケ島には、戦時中45口径25cmカノン砲が2基4門設置されていた。現在、砲座跡は県立城ケ島公園の駐車場花壇になっている。地下壕には26平方メートルの火薬庫が3部屋ある。地下通路は約50m。通路先には20平方メートルの砲座下に部屋があり、そこからリフトで砲弾をあげたと考えられる縦杭がある。
参加者は、普段入れない砲台跡につながる地下壕を探索した。入口には迷彩色がはっきり残っている。これに関して同会では「草などに覆われていたため、劣化することなく保たれていたのではないか」と説明。参加者は、構造物に触たり、写真を撮るなどしていた。 奥にある弾薬庫として使われていた空間や砲台まで弾薬を運んだとされる砂利道(当時はレールがひかれていた。今はない)の出現に、参加者はライトで照らしながら感慨深そうに見ていた。同会では「この地下壕はとても保存状態が良く価値の高い戦争遺跡。文化財として残していけるようにしていきたい」と話していた。
初めて参加したという市内諸磯に住む50代の女性は「戦争と城ケ島の関係はあまり知らなかった。当時の物がこのように残っている姿を見て心に響くものがあった」。母親と一緒に参加した小学3年の児童は「こんな建物が城ケ島にあって驚いた」と話していた。戦争を体験した70代後半の男性は「繰り返してはいけない戦争。保存して後世に伝えていくことが大切」と話していた。
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