魅力高め、住み良いまちへ 市長に新年の展望を聞く
本紙では恒例の新春特別企画として、吉田英男市長へのインタビューを実施。市長は2013年について、「厳しい財政事情の中、観光活性化に向けた努力と、高齢者が安心して住め、若い世代が子育てしやすいまちづくりをしていく」と語った。
災害に対する取り組みを強化
――2012年を振り返っての感想をお願いします。
「東日本大震災を踏まえ、国や県が様々な想定を新たに行い、それらを基に本市で想定される津波被害を前提に改定した『津波ハザードマップ』や『市民用避難マニュアル』を全戸に配布するなど、災害に対する取組及び自助・共助の啓発に重点を置いた1年でした。
さらに、消防力の強化等を見据え、消防署の本署と引橋分署を統合し、市の中心部である三崎高校の跡地へ移転を行うため、昨年にはその予定地である体育館を解体しました。今後も2015年の完成に向けて取り組んでまいります」
地域と共に取り組む観光事業
――観光事業の強化は、今まで以上に賑わいを創出し、経済を活性化させる効果が期待できるため重要だと思います。今後の観光事業に関して、市長のお考えをお聞かせください。
「昨年から神奈川県が募集した『新たな観光の核づくり』において、三浦市が最初の認定を受けることができました。この提案は、城ケ島を舞台として、地域・民間・行政が連携して応募したものです。本年はこの構想の実現に向けて、民間資本の投入による民間主導のもと、三者が共に協力して城ケ島や三崎港を中心とした三浦市の観光活性化に取り組んでまいります。
地域に目を向けましても、まぐろラーメンを通じて地域おこしを行う『三崎まぐろラーメンズ』の皆様が、秋に行われた関東・東海B―1グランプリin甲府でシルバーグランプリを受賞されました。また、三浦海業公社が地域振興に多大な貢献があるとして、ふるさと企業大賞・総務大臣賞を受賞されました。
今後も、来遊客数600万人を目指して、地域とともに観光事業に取り組んでまいります」
若い世代・高齢者も安心して住めるまちに
――高齢者も安心して住めるまちづくりを進めていくと同時に、子育て世代の若い人たちが三浦に住みたくなるようなまちづくりを進めていく必要があると思います。対策、取り組みのお考えをお願いします。
「本市は県内の都市で、最も高い高齢化率となっており、今後もますます少子高齢化が進むことが予想されています。
三浦市は、少子高齢化が進んでも元気なまちを目指した施策を展開していく考えです。
高齢者に対し、ハード面については、新たな特別養護老人ホームの事業者が決定しました。ソフト面については、関係機関だけでなく災害時要援護者の登録率の高さを生かすなど、地域ぐるみでの支援の輪をさらに広げてまいります。
子育て世帯に対しては、『はっぴー子育て応援団』や、子育て応援サロン『ほっとハート』の活動に対する支援など、引き続き子育て不安を一人で抱え込むことのないまちを目指して取り組んでまいります。
また、この4月には市役所の機構改革において『子ども課』を新設して子どもに関する事務を一元化し、機能強化を図ります」
あったかいまちづくり
――市長が考えるこれからの三浦市の姿をお聞かせください。また、その三浦市の姿を実現させるために2013年以降、行政・市民はどうするべきかお考えをお願いします。
「2013年4月1日には、三浦市の将来像の目標を示した、次期基本計画・実施計画がスタートします。次期基本計画の中でも述べていますが、三浦市は今後、少子高齢化がさらに進むことが予想されます。そのことにより人口の減少や社会保障費の増加等、三浦市を取り巻く環境は厳しさを増すという認識です。
人口の減少は超高齢化社会の到来が主たる原因ですが、座して待つことなく、三浦市としてできる限りの努力を行う考えであり、人口の増加を目指した、三浦市の魅力をさらに高め、訪れてみたいまち、住んでみたいまち、住み続けたいまちとなるための様々な取り組みを進めていきます。そして、三浦市の魅力をさらに高めるために必要なのは、あったかいまちづくりです。引き続き、あったかいまちづくりを進めてまいります。
まちづくりの目標の達成は、行政だけでは成し得ません。三浦市内に住み、働く一人ひとりと行政とが、三浦市というまちを愛し、まちづくりの目標を共有し、その目標に向かって共に進んでいくことが重要であると考えています。ご協力をお願いいたします」
――最後に三浦市民にメッセージをお願いします。
「本年も私の信条とする『シンプル・スピード・サービス』という基本理念に基づきながら、市民の皆様、経済界の皆様、三浦市に来られるお客様の、誰もが『あったかいまち』と安心できるようなまちづくりを続けてまいりたいと存じます。
どうか皆様の相変わらぬご支援、ご指導を賜りますよう心からお願い申し上げますとともに、皆様のご健康とご多幸を祈念いたしまして、新年のあいさつといたします」
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