三浦版 掲載号:2013年3月21日号
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三浦の散歩道 〈第37回〉 みうら観光ボランティアガイド協会

水間神社
水間神社

 菊名の海辺から西へ向かって大きな谷戸が「田保谷戸」です。かつては「菊名水田」が広がっていたのでしょうが、現在ではキャベツや大根の畑になっています。道の右側には、所どころにかつて海底にあった地層ではないかと思われる岩肌が見られます。谷戸の奥まで進むと道は急峻になります。その急坂を上がると「引橋」の交差点に出ることが出来ますが、坂の手前の畑道を左折しますと、川があります。川の向こうの丘に祠があります。十数段の石段を上がると、間口1・4メートル、奥行1・6メートル、高さ1・8メートルの切妻のお堂が祀(まつ)られています。鳥居とおぼしきところに注連縄(しめなわ)が架けられています。「水間(みずま)神社」です。俗に「水間さま」と呼ばれる神社です。祭神は「水歯別尊(みずはわけのみこと)」です。資料では明治41年(1908)3月8日白山神社に合祀されています。記紀に登場する水神には弥都波能売(みつはのめ)神や天水分(あめのみくまり)神・国水分(くにのみくまり)神があり、「水分」とは、稲作の水に関係して、山からの流水を分配することをつかさどるものとして祀られています。「ミクマリ」は「水を配(くば)る」意と言われています。この「水間さま」の祭神は「ミズハワケ」ですから「ミクマリ」と同じに考えてよいでしょう。ただ、ここでは、この水を飲むとお乳の出が良くなると言われています。伝説として、「菊名左衛門の乳母が左衛門を育てるのにお乳がよく出ないので、この水を飲んでからよく出るようになって、あのような立派な武士が育った」という話を浜田勘太氏は『南下浦の歴史探訪記』に書いています。この本の中で、「明治の終わり頃までこの水神で「虫追い」の行事があった。この神社に参拝して帰りに畦を叩(たた)きながら浜の川に送る。畦の虫を追い払うの意がある。稲の害虫やいなご等を追い払って行くのである」とも記しています。お堂の下に水源があり、湧出口が2か所あり、岩の割れ目から清水が湧き出て川に合流しています。湧水を汲むためでしょうか、近くに柄杓(ひしゃく)がさげられています。「水間さま」に別れを告げて、元の道を海側へ向かいます。先きほど訪れた「菊名左衛門碑」のある丘上を右手に見ながら、約800メートル程の道を進むと「菊名児童館」の前へ出ます。左折して、百メートル程行った右手に石塔と共に駐車場でしょうか、広々とした所が目に入ります。石塔は立派な笠付きで、正面に蓮花を持した観音様が彫られ、「三浦札所第九番」の文字が彫られています。「法昌寺」の入口です。道路から約30メートル程の参道があり、十五段の石段を上がった正面が本堂です。「円通閣」と書かれた額が本堂に上がる階段の上の長押に架かっています。「えんずうかく」と読むのでしょうか。ここは「菊名山法昌寺」です。入口にもありましたように、この寺は「三浦三十三観音札所」の第九番にあたる寺です。詳しくは次回に記しましょう。

つづく
 

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