4月1日付で三浦市消防団長に就任した 秋本 清道さん 三崎在住 63歳
冷静な判断と行動力
○…地域にある12の消防団の責任者という重責からか、やや緊張した面持ち。しかし、眼光は鋭くまっすぐこちらを見つめる。かつて父親も団長を務めた。「火は全てを奪う。万が一火事が発生した時、いかに早く消火活動を行えるか、迅速な対応が求められる」。消防団の役割を一から考えさせられた東日本大震災。「同じ団員として犠牲になった方々を思うと辛い。三浦で同規模な地震が発生したら、我々も同じような事態に遭遇していただろう」とうつむく。震災以降、津波警報の際は、高台から海の監視にあたるなど、災害対応を見直した。「前任の田中団長が改善に取り組んできた。その後を受け継ぎ、新しい体制を万全のものにしていきたい」と言葉に力を込める。
○…「地域を守るため。消防活動に対する団員の意識は高い」と胸を張る。唯一の悩みは、団員数の減少。他の自治体に比べると多いが、昔に比べると少なくなってきているのが現状。「仕事や家庭を持ちながら、任にあたるのは負担が大きい」と理解を示す。「子どもたちが我々の姿を見て、将来一緒に活動をしたいと思えるような行動をとりたい」と前を向く。
○…菓子の老舗「嶋清」の6代目。小5の時から、店を手伝っている。「子どもの頃から自分が継ぐと思っていた」とさらり。現在、7代目の息子とともに店を切り盛りする。時代とともに客の好みは変化する。その変化に対応する技術を身につけるために日々の研究は欠かさない。反面、伝統の味も守り続ける。「変えて良いものと変えてはいけないものがある。全ては客の喜ぶ顔を見るため」。
○…人と話したりコミュニケーションをとるのは好きというが、接客は苦手だとか。「店頭には向かないタイプ」とぼそり。旅行や美術館巡りが趣味。「菓子は、自分の機嫌が味や形に出てしまうもの」という。「菓子は人なり」―この言葉を心に刻む。
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