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三浦の散歩道 〈第68回〉 みうら観光ボランティアガイド協会

掲載号:2014年9月26日号

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馬頭観音、牛頭観音の石塔群
馬頭観音、牛頭観音の石塔群

 「宮川」について、『神奈川県地名大辞典』に、次のように記されています。

 「台地上は一部集落を除けば広い耕地の純農家、台地下の水田は埋め立てられ、住宅地となる。宮川湾沿いでは漁業を営むが、ほとんどがワカメの養殖をおこなっている。海岸線は八景原と称して、市内でも景勝の地である(後略)」

 確かに、バスが走る県道沿いから眺めると、広い耕地が目に入り、今の時期は大根の種まき時であり、すでに緑の芽が畑中に綺麗に並んでいるさまが見られます。景勝の地「八景原」について、江戸時代の文化9年(1812年)に書かれた『三浦古尋録』には、次のように記されています。

 「此処八南ノ出崎ニシテ青キ大ナル毛氈(もうせん)の如シ此出崎ヨリ眺レバ安房上総下総伊豆駿河相模常陸甲斐ノ八州ヲ見ル故に八景原ト云至テ勝景ノ処ナリ東都ノ詩人歌人等伝聞(つたえきい)て此地ニ遊ブ」とあります。さらに、明治43年(1910年)発行の『相州三浦三崎案内』という誌に「坂や小松林をぬけると駱駝(らくだ)の背ような馬駈場(うまかけば)と云ヘる所に出る。此処が八景原と称して海抜56丈(18メートル程)屏風の如き懸崖(けんがい)が南に向かって突出し脚下は数千の岩礁に白波の跳ねるを見、白鴎なんど飛び交るを認める。眼を転にて遠く水煙模糊(もこ)とした間を望めば房州館山の岬が翠色の裡(うち)に縹渺(ひょうびょう ほんのりとかすかに見える意)として、淡夢の如く朦朧(もうろう)と僅かに仄(ほの)見ゆ。音するものとては世界半球を吹いた太平洋上の風が磯馴松をかき鳴す響き、さては城ケ島の東端、安房崎に狂ふ潮の音・・・」と記してあります。

 かつては、ドライブインがあって、海上の風景もよく見渡せましたが、現在では木々や雑草の藪になっていて、海上近くの崖上まで行くことは困難です。その藪の中に「馬頭観世音」牛頭観世音の石塔が23基もあります。造立年号の不明がかなりありますが、年号の分かるものは、元治元年(1864)が古く、他に明治・大正のもので、一番新しいものでも昭和9年の年号のものがありました。明治15年(1882)の調査では、六合村、諸磯村、三崎町、菊名村、毘沙門村、松輪村で、併せて馬の数は284頭に対して牛の数は14頭。圧倒的に馬の数が多かったようです。江戸時代から近代にかけては馬が農作業をはじめ、諸々の運搬に使われていたことが理解できます。藪の中の馬頭観音、牛頭観音の石塔がなくならないよう祈るばかりです。

 県道をさらに晴海町に向かう所の藪の中に「供養塔」と記された石塔が見られます。これは、かつて、この地が身投げの所であったと言われ、特に現在の諏訪町にあった遊里の女性が、との話も聞いています。そのため、亡くなった方々を「供養」する石塔ということでしょう。

つづく

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