絵手紙展を開催する「三浦絵手紙協会」の会長を務める 澁川 信夫さん 三崎町在住 79歳
素直に、心のままに描く
○…キャッチフレーズは「下手がいい、下手でいい」。カメラ目線で完璧に描くのではなく、相手のことを思い、自身の気持ちを絵に表すことに重きをおく。はがきサイズの小さなキャンパスに思いを絵と言葉で表現する。「うまく描くのがいいのではなく、自分の気持ちを形にすることが大切。受け取った人もそんな気持ちに温かみを感じるはず」と優しく諭す。描かれた絵と添えられている言葉が互いの心を繋ぐ力を持つ、それが絵手紙だ。
○…三崎にある展示スペースCOCOで12月27日から絵手紙展を開催する。作品は約200点。市内で活動する5つのサークルの講師を務める。会員は約50人。絵手紙に描かれる絵は花や植物、動物、魚、建物等、題材は問わない。「絵の種類によって得意不得意がある。私は花が得意かな」と優しくほほ笑む。
○…1935年生まれ。出身は新潟県。農家に生まれる。馬を飼っていたこともあり、子ども頃は馬に乗って遊んだり世話をしたとか。自然と馬に関する知識は友達よりも長けていた。「馬の知識を話したら先生に褒められたことは今でも強く印象に残っている。褒められるとうれしい。誰しも良い所はある。私も、講義をしているときは、良い所を見つけて褒めることを心掛けている」
○…定年後、趣味を模索していた時、目についたのが絵手紙講習会の知らせ。文章だけではなく絵を添えて相手に出す。興味が沸き受講、すぐに夢中になった。「疎遠だった人と、これがきっかけで交流が再開することがある。絵手紙はそんな効果がある」と話す。夕暮れ時の富士山を描いた絵手紙がある。温和な性格の表れがそのまま絵に表現されているかのように、見るものの心を温かくしてくれる。当時の郵政省が主催した絵手紙展で優秀賞を受賞している。「心も体も、とても充実している。私にとって絵手紙は大切なビタミン剤」と笑う。
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