城ヶ島の海上に整備で進んでいる「城ヶ島J’sフィッシング」が、今年7月頃にオープンすることが分かった。城ヶ島区と民間企業が運営する主にファミリー向けの海上釣り堀で、30m四方を網で囲んだ生け簀を設置。浮桟橋の機能を持たせることで、渡船の発着も可能となり同地をマリンレジャーが楽しめる城ヶ島の観光拠点として活用していく考えだ。
城ヶ島の観光客数は1970年の約211万人をピークに減少傾向にあり、昨年は93万人が来島した。2013年にミシュラン社が発行した、外国人向け旅行ガイドのミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで2つ星を獲得し、注目を浴びたことで微増するも観光客数は全盛期の半分以下。土産物店や遊覧船が廃業するなど地域経済の衰退が続き、街の活性化を図ることが喫緊の課題だった。
県交付金を活用
今回の海上釣り堀「城ヶ島J’sフィッシング」事業は、横浜・鎌倉・箱根に次ぐ神奈川県内第4の国際的観光地を育てるようと県が推進する「新たな観光の核づくり事業」の1つで、促進交付金3000万円が充てられている。黒岩祐治神奈川県知事も、潜在的な観光資源に恵まれた城ヶ島を「超一級の観光地になれる」と述べるなど発展に期待が高まっている。
運営は地元の城ヶ島区が行い、業務委託として「(株)城ヶ島(曽我太郎代表)」が管理を請け負う。同社は城ヶ島でヨットやクルーザーなどのマリンレジャー事業を展開する、「ブルーマリン城ヶ島」が新たに立ち上げたもの。
同社によると釣り堀は主にファミリー向けで、釣りイカダへは岸壁からデッキを渡す構造。大きさは30m×30m、収容定員は60人を想定しているという。放流する魚の種類はシーズンによって異なるが、初心者や子どもでも釣果が出やすいように概ね1kgから2kg程度の魚を用意。この海域は潮がきれいで漁場だけでなく釣り堀としても好適で、魚の鮮度も保つことができるという。料金体系や営業時間については現在調整を行っている。
「同事業はあくまで城ヶ島観光の活性化の軸。ハード面の整備と同時に、施設を活用したソフト面の連携が必要」と曽我さん。「例えば釣った魚を周辺の飲食店に持ち込んで食事ができたり、面倒な魚の下処理を頼めたり。誘客の効果的な仕組みを、事業者や漁協など地域ぐるみで考えていきたい」と話している。また、浮桟橋の機能を持たせることで、三崎港などからの渡船の発着が可能となり、マリンステーション(海の玄関口)としての活用もできるという。
今夏のオープンに先駆けて今月末には、陸上に併設するインフォメーションセンターを開設。トレーラーハウスを用いて、受付や休憩所を設ける。
県立城ヶ島公園内のユースホステルの跡地では、アウトドア用品の製造販売を行っている「コールマンジャパン(株)」がオートキャンプ場の早期整備・オープンに向けて、関係機関と調整を続けている。
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