「今日のおすすめはアジとメトイカかな。活きがいいから美味しいよ」。秦野市の街角に停まっている軽トラックから威勢の良い声が聞こえる。
声の主は白石町に住む「魚竜」の主人・村松一雄さん(82)。その隣で、あうんの呼吸で手伝っているのは妻の登志子さん(75)だ。村松さん夫妻は、三浦市から40年以上にわたって秦野に通い続ける鮮魚の行商をしている。行商を始めた当初、平塚市内の寿司店に魚を納めていた。その近くの学生寮に学生の食事用としてサバの切り身などの販売を始め、その空き時間を使い住宅地などでも行商をするようになったという。
荷台のケースに並ぶのは自宅の目の前の三崎港で、その日の朝に仕入れた10種類以上の魚介類。「三崎だから、やっぱりマグロが人気だね」。40年という時間の流れの中で新鮮な魚を目当てに親子三代で買い物に訪れる人もいるといい、「『おじさんのところの魚が一番美味しい』と言ってくれた時がなにより嬉しい」と目を細める。
週に3日、秦野まで片道約2時間の道のりを通う。「体が動くかぎり、お客さんのために頑張りたいね」。三崎直送の新鮮な魚を荷台いっぱいに積んだ二人三脚のドライブはまだまだ続く。
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