三崎中学校3年の林武志くん(城山在住)が今月26日(日)から台湾で開かれるビリヤードアジア選手権のジュニア部門に出場する。コーチを務める父親と二人三脚で鍛錬を重ね、初めて掴んだ国際大会への切符。幼い頃からの夢「世界チャンピオン」を目標に、まずはアジアナンバーワンをめざして駆け上がる。
今年4月に開かれた、「第15回全日本ジュニアナインボール選手権大会(JOCジュニアオリンピックカップ大会)」。地方予選を勝ち抜いた13歳から17歳までの12人でアジア選手権の代表を争い、林くんは全体で3位入賞。男子では2位に入り、2枠の出場枠に滑り込んだ。
今月5日に開かれた関東学生選手権でも、唯一の中学生として大学生に混ざって出場。冷静沈着に戦況を分析し、危なげないゲーム展開で快進撃を続け、同大会初の快挙となる優勝に輝いた。
勝利支える精神力
一世を風靡(ふうび)した米国のヒット映画「ハスラー」の影響でビリヤード愛好家だった父親の伸高さんの指導のもと、2歳から競技を始めた。めきめきと頭角を現し、小学3年の頃にはすでに大人たちと肩を並べて競い合うまでに成長。初めて出場した大会では優勝し、「スーパーキッズ」と周囲を驚かせた。
上達するごとに膨らむ勝ちへのこだわりと、チャンピオンへの夢。本格的に練習環境を整えようと、一家で藤沢市から三浦市へ転居。新しく構えた自宅にはビリヤード台が置ける練習ルームを設け、365日いつでも触れられるようにした。現在も平日は登校前に1時間、夕方帰宅してから4時間の練習をこなす。休日も6時間ほどひたすら球を突くという。
破竹の勢いで急成長を遂げ、大人顔負けの勝負強さを発揮できる秘密。それは日々の練習から生まれる研ぎ澄まされた精神力と集中力がなせる業だと2人は話す。それを証明するかのように、自宅のビリヤードルームには「撞球道精神9カ条」と書かれたパネルが掲示されている。「練習は不可能を可能に変える」、「多くの負けから1つの勝利が生まれる」、「楽しくやっているものには勝てない」など、どれもアスリートには必要不可欠な教訓だと伸高さんは説く。
ビリヤードは他の球技とは異なり、ラリーゲームではなく自分自身との戦い。常に2、3手先の展開を読んで戦術を競う、メンタルスポーツの1つと言われている。
夢は世界一
同アジア選手権の優勝者は11月15日から19日に、中国・上海で行われる世界ジュニア選手権に出場できるとあり、「これまでの努力を最大限に発揮して、優勝したい」と気迫は十分。ビリヤードの楽しさに目覚めた5歳の時に抱いた夢、「世界チャンピオン」の実現に向けて、虎視眈々とアジア覇者の座を狙う。
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