行政サービスの効率化などを目的に国民一人ひとりに付与される共通番号(マイナンバー)が、来月中旬以降に三浦市内約1万7000世帯に通知される。来年の本格運用を前に、市は取扱方法の周知や不正利用に対する注意を呼びかけているほか、条例整備や情報漏えい防止のためのセキュリティ対策を講じるなど対応を進めている。
マイナンバー制度とは、国民それぞれに重複することのない12桁の番号を割り当て、社会保障・税・災害対策の3分野に関する情報を一元管理する共通番号制度のこと。2013年に「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)」が国会で成立し、来年1月から全国の自治体で本格的に運用がスタートする。
マイナンバーが利用されるのは、主に国民健康保険や年金、所得税など約25の行政手続きのほか、三浦市では障害者医療費・ひとり親家庭等医療費・小児医療費の助成に関わる事務処理に独自活用される予定。
制度の導入により、行政での書類確認の手間の削減や情報入力ミス防止などが期待され、煩雑だった事務作業の効率化と正確性が向上。また、従来では異なる行政機関で管理していた個別情報が固有番号で紐づけ共有されるため、申請手続きに必要な提出書類の簡素化が図られ、行政サービスの利便性も上がる仕組み。番号は漏えい時など例外を除き、生涯にわたって変更されることはない。
制度の導入開始に伴い、市は条例整備を推進。先月開かれた三浦市議会第3回定例会で、マイナンバー利用条例の制定、市個人情報保護条例と手数料条例の一部を改正する議案が審議され、いずれも賛成多数で原案どおり可決されている。
番号が記された通知カードは、来月中旬以降に順次郵便書留で送付。市内の約1万7000世帯・およそ4万5000人(今月5日時点で住民票を持つ全市民)が対象となる。現在、懸念されているのは、受取人不在による通知カード不着の対応。「選挙の投票所入場券送付時には毎回100〜200通が返戻されている」と市担当者は話した上で、今回は全市民が対象になる点や長期入院・施設入所で郵便を受け取ることのできない独居高齢者が増えている点などから、「不着数はこれまで以上になるのでは。限られたマンパワーで丁寧に対応したい」としている。不着の場合、三浦市では郵便局で一定期間留め置き、市役所市民サービス課に返戻後、窓口での直接受け渡しに切り替えるほか、引取りを呼びかける案内状の送付や個別訪問なども含め、対応を検討している。
セキュリティ対策に不安の声
行政サービスの利便性向上の一方で、なりすましや漏えいなど個人情報の流出を不安視する声も多い。マイナンバーの適正な取り扱いと保護措置について、市は条例の改正のほか、サイバー攻撃対応策としてマイナンバーを扱うネットワークとインターネット回線との分離、リスク分析のため国から実施を義務付けられている「特定個人情報保護評価書」を公表している。
先月明らかになった、三浦市職員による不正な個人情報を含んだ200万件に上る行政情報のUSBメモリーによる持ち出し事案。発表では情報の外部流出を否定しているが、管理体制の杜撰さが取り沙汰され、原因究明に向けた徹底検証とプライバシー保護・セキュリティ対策など再発防止のための見直しが急務となっている。
マイナンバー制度の詳細は、広報誌「三浦市民」や市のホームページ・地区内の回覧板などで随時案内中。問合せは三浦市役所【電話】046・882・1111(代表)へ。
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