江戸時代、”大衆メディア”として庶民に親しまれた浮世絵。鮮やかな色づかいと、大胆な構図―。美人画や武者絵・役者絵、なかでも当時の旅行ブームも相まって、「冨嶽三十六景」や「東海道五十三次」などの風景画が人気を集めたと言われる。
海辺の景勝地、横須賀
近代化の窓口として発展した横須賀と神奈川は”浮世絵”でどのように表現されたのか―。製鉄所(造船所)創設150周年記念事業の一環として、横須賀美術館(横須賀市鴨居)では企画展「浮世絵にみるモダン横須賀&神奈川」が行われている。国内有数の浮世絵蒐集家である斎藤文夫氏(川崎・砂子(いさご)の里資料館館長)のコレクションから、約250点を展示。景勝地として知られた神奈川・横須賀の名所を浮世絵で辿る。
会場では、葛飾北斎の作品で最も有名とされる「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」や、稀品と言われる「千絵の海 相州浦賀」も見ることができる(原安三郎コレクションより、前期のみ)。
浮世絵で描写されたのは、風景だけではない。幕末明治期には、開港によって変化する市井の様子や、当時の文化を細かく表す作品も多く見られるようになる。特に、ペリー来航や横浜開港など文化・産業の玄関口となった神奈川は、多くの”題材”に溢れていた。蒸気船の絵図や外国人が練り歩く様子など、色鮮やかな作品は、新しい世相や風俗を伝えている。
同展では、維新期にかけて爆発的な人気を得た「横浜絵」の名手・五雲亭貞秀や一川芳員、小林清親らの作品から、神奈川が近代化の最先端の街として発展する様子を読み解いていく。
作品は前後期で入れ替え。前期は12月6日(日)まで、12月8日(火)から23日(祝)が後期。観覧料は一般800円、高大生・65歳以上600円、中学生以下無料。来場者には、先着でオリジナルポストカードを配布する。
詳細は同館【電話】046・845・1211
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