三浦の情報サイト「ミサキファンクラブ」や地元に特化したアプリ開発を行う 桑村 治良さん 和田在住 42歳
街と人をITで繋ぐ
○…「住んでいる人が三浦での生活をより楽しむためのツールを作りたい」。スマートフォン用アプリやホームページデザインなどの企画開発を手掛けるプログラマー業の傍ら、培った専門技術を活かして地域に根ざした情報サイト「ミサキファンクラブ」の運営やアプリを無償提供する。人が集い、共感し、活気を生むための情報の集積・発信拠点を世に送り出す知られざる地域活性化の仕掛け人として奔走する。
○…三浦に移住して約6年。業界誌の記者を経て、音楽雑誌の編集職に就いていた30代半ば。会社に泊まり込み、公私の境なく仕事に忙殺される日々を過ごした。ふと心に余裕がなくなっていることに気づくと、のんびりとした暮らしを求めて三浦への転居を決めた。その後、11年にITエンジニアとして起業。当時、台頭し始めたスマートフォンの性能と可能性に着目し、長らく主戦場だった紙媒体を離れ、デジタル媒体の分野へ単身飛び込んだ。
○…ITを通した地域活性化に取り組むきっかけになったのは、13年に開発した横須賀・三浦の野菜直売所を紹介するアプリの開発だった。普段の生活で発見した地元野菜の美味しさや食材探しの面白さ。三浦ならではの魅力を多くの人に伝えたいと農家へ赴いては丹念に話を聞いた。使い勝手や情報量だけでなく、無機質なデジタルツールに込めた生産者の個性や熱意が随所に光るこだわりぶり。先月配信が始まったミサキファンクラブのアプリも、普段の人々の暮らしが垣間見える”三浦人による三浦ファンのための”自信作だ。
○…「堅苦しくなく、仕事とプライベートをほどほどに楽しみたい」と名付けた会社名の「オン・ザ・ハンモック」だが、実状は本業と地域活動で慌ただしい毎日。自宅に吊るされたハンモックに揺られる悠々自適な生活はまだ暫くお預けだが、仕事のやりがいを語る表情には充実感が漲っていた。
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