竹林の整備保全を通して、三浦半島の美しい自然を残そうと、市民ボランティアグループ「三浦竹友の会」が、2003年から活動を行っている。発足して13年。横須賀市・三浦市・逗子市・葉山町にある計11カ所の竹林を手入れする傍ら、小学校での出前授業や市民講座などで竹の魅力を伝えている。
南下浦町毘沙門。揃いのベストを着た会のメンバーたちが、農家の庭先に広がる竹林に続々と吸い込まれていく。もともとは人が立ち入れないほど草木が生茂る藪だったが、定期的に人間の手を加えることで、今ではほどよく光が差し込む竹林になった。市内では同地のほかに、下宮田でも10年以上にわたって継続されている。
美しい竹林を育て、日本人が古来より親しんできた天然資源としての魅力を伝えようと集まった会員は約70人。一般家庭や町内会、民間企業など土地所有者の依頼を受けて、月1回ほどの頻度で各地の竹林整備をすべて無償で請け負っている。1本ずつのこぎりで倒しては葉や枝を削ぎ、短くカット。作業工程はシンプルだが、ひとたび林の中へ入ると、「竹友の会」の名の通り、それぞれが竹と会話するように生育状態を見定めては手際よく間伐していく。
昨今、農家の高齢化や後継者不足で、手入れの行き届かない竹林が日本各地で増加。地域の景観を損ねるだけでなく防犯面や生態系へも影響を与え、”竹害(ちくがい)”として社会的な問題となっている。同会代表の中村力さん=人物風土記で紹介=は、「三浦半島にはまだまだたくさんの竹藪がある。ボランティアと地域の手で守り育てていけたら」と話し、参加・賛同を呼びかけている。
整備活動とあわせて、子供会や小学校での竹トンボ・竹ぽっくりの製作指導、灯籠づくりの市民講座などイベントも実施。夏にはお手製の流しそうめん台で涼味に舌鼓を打ち、今の時期は春の味覚・タケノコ狩り。子どもには新鮮で、大人には昔懐かしい竹の魅力を体感。楽しみながら理解を深めてもらおうと、今後も積極的に普及啓発に力を入れていくという。
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