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三浦版 公開:2016年7月8日 エリアトップへ

救急ワークステーション 機動力活かし救命率向上 市立病院と消防が連携

社会

公開:2016年7月8日

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病院で待機する救急車(写真提供/市消防本部)
病院で待機する救急車(写真提供/市消防本部)

 市消防本部の救急隊が三浦市立病院に待機し、医師を乗せて出動する「救急ワークステーション」の運用が、今月1日から始まった。迅速な処置による救命率と隊員の知識・技術力の向上で、質の高い救急サービスの提供をめざす。

 本来、救急車は消防署で出動待機するが、ワークステーションでは救急要請に応じて病院から出動。一刻を争う重篤な状態の傷病者がいるなど、早期の医療処置が必要な事案には、医師や看護師が救急車に同乗して現場へ急行できることが、この取り組みの最大のメリットだ。

 市立病院には、救急車1台と救急救命士を含めた3人の隊員が、年末年始を除いた平日の午前8時30分から午後5時15分まで待機する。平時は同院の医師らのもとで、救急医療に関する知識と技術力向上を図るため実習を行っている。また、迅速な処置による救命率向上に加えて、「現場において医師による直接的な指導・助言が受けられ、より実践的な技術習得が期待できる」と話すのは、同署の武田幸男警備課長。

 1991年に施行された救急救命士法により、救急救命士の資格制度が創設。処置範囲も徐々に拡大され、心肺機能停止前の重度傷病者に対する静脈路確保や輸液(点滴)、血糖測定、低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与など、医療従事者として常に高度な能力へスキルアップが求められている。従来の出動体制を維持しながら、輪番で実践的な技術を学べることも導入を決めた要因の1つとなった。

 ほかにも、日ごろから医師や看護師との密なコミュニケーションを図ることにより、職種の垣根を越えた1つの医療チームとして結束。顔が見えることで互いに信頼関係を強め、円滑な患者の搬送や受け入れができたり、大規模災害・事故発生時もスムーズに活動できる利点もあるという。

市民に安心を提供

 同市では人口減少の進展に反して、救急隊の出動件数は年々増加傾向にあり、昨年度は3272件(前年度比95件増)と過去最高を記録した。少子高齢化が加速することで、今後も救急需要や重症患者の搬送件数の増加が予測されている。同院の佐藤安志事務局長は、「在宅医療や介護を受ける人にとっても、大きな安心感につながるのではないか」と地域医療の強化寄与に期待を寄せている。

 県内自治体では藤沢市で24時間体制の常駐型、平塚、座間、厚木、横須賀市で派遣型のワークステーションがそれぞれ運営されている。

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