横須賀・三浦の地元事業者らでつくる「ドローンクリエーションヨコスカ」は、無人航空機「ドローン」を活用したイベントを先月29日・30日に旧三崎中学校で行った。ドローンを通じて三浦半島に人と技術を呼び込もうとする試みで、横須賀市では今月半ばにも官民連携が始まるなど一歩前進。三浦市内でも機運を高めようと取り組んでいる。
イベントを手掛けるのは、横須賀・三浦でドローンを用いた新たな産業育成をめざし、昨年設立された「ドローンクリエーションヨコスカ」など3団体。同団体は、練習場の環境整備やフライト技術の向上・ビジネスでの活用提案を目的としたセミナーの実施、レースの誘致・開催などに乗り出している。空撮以外にも昨今では土木や物流・防災など、さまざまな分野でドローンを利用したビジネスが本格的に拡大していることを受けた取り組みで、先月上旬には、その第一歩となるドローンパイロット育成キャンプを横須賀市内で実施。機体の仕組みや法令法規の知識などの座学を行い、約20人が参加した。
「目標は100人の横須賀・三浦出身のパイロットを飛び立たせること」。今後の展望を話すのは、メンバーの1人で、横須賀市でドローンを用いたビジネスを展開する堂城川厚さん(三崎出身)。三崎での研修会には、県内外から10を超える企業・大学関係者が出席し、需要の高まりを感じているという。
先般の航空法改正に伴い、都市部での飛行が原則禁止となっているドローン。全国的に練習場が不足している背景もあり、旧三崎中学校の体育館やグラウンドといった広い空間が確保できる点を好材料にアピールしていく。
一方、近年では墜落事故など相次ぐ飛行に関するトラブルが取りざたされており、イメージ回復や正しい使い方の普及啓発にも積極的に取り組む。フライトシミュレーターを使った体験プログラムを行うことで、「ファンをつくり、市民権を得ることができれば 」
二町谷活用に独自案
ドローンイベントの副次的な効果として、地域経済への還元も見込む。今回の研修でも参加者の多くは三浦市内で宿泊。飲食や土産物購入などが伴うことで、観光関連産業にも波及があり、交流人口を生み出すのではと期待を寄せる。
また、長らく活用方針が模索されている二町谷埋立地についても、「遮るものがない広い敷地を活かし、レースイベントをやってみてはどうか」と堂城川さんは青写真を語る。
行政と連携の動きも
横須賀市では、ドローンの専用フライト練習場を市内長坂5丁目に開設する動きが出ている。西武鉄道(株)が約5000平方メートルの土地を借り受け、機体が離着陸できる環境を整備し、今年9月には用地整備に着手。早ければ秋以降に供用を開始する。その他、今月半ば過ぎには、災害発生時の情報収集にドローン技術を活用する協定を締結予定。水害や地震などの際に撮影を依頼し、被害状況の早急な把握に役立てるという。
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