三浦市内で特別養護老人ホームへの入居を希望する待機者は99人(17年4月現在)と、2年前と比べて4割減少していることが分かった。介護形態の多様化や制度改正による入所要件の厳格化などが要因とされている。本年度中には新たに2施設が開所されることから、待機解消への期待が高まるが、一方で入所要件に満たない軽度の要介護者の受け皿づくりが急務となっている。
全国では36万人超も
特別養護老人ホーム(以下、特養)は有料老人ホームなどと比較して費用負担が少ないことから入所を希望する人が多く、今年3月の厚生労働省の発表では全国で約36万6千人が入所待機を余儀なくされているという。
こうした全国的な特養不足問題を受けて国は2015年、介護保険法を改正。従来の入所条件「要介護度1」(身の回りの世話に何らかの介助が必要で、問題行動・理解低下がみられることがある)から、原則として「要介護度3」(身の回り全体に介助が必要で、いくつかの問題行動や全般的な理解低下)以上に改められた。
対象が絞られたことで三浦市でも2年前の159人に対し、今年4月時点の待機者は99人に。減少理由はそのほかにも、介護施設の多様化や在宅介護の浸透となども考えられるが、要件改正が与えた影響は大きい。
また、市では入所待機者の解消をめざし、施設整備を推進。特養施設とそれに併設するショートステイの新設事業に対し、1床あたり5万円の補助を実施。今月1日、下宮田にケアホーム三浦が開所し、今夏には遊楽の丘(仮称/上宮田)がオープンを控えており、課題解消の追い風として期待を寄せる市民も多い。
予防で介護難民減少へ
しかし一方、重症者を優先したことで入所要件に満たなくなった要介護1〜2認定者、いわゆる”介護難民”と呼ばれる層も存在する。団塊の世代が後期高齢者となる2025年には、要介護認定者のさらなる増加が予想されるが、その改善策として期待されるのが在宅での介護ケアだ。
高齢者が住み慣れた地域で介護や医療などのサポートが受けられる体制「地域包括ケアシステム」を各市区町村が整備。三浦市でも4月から多様な訪問・通所・生活支援サービスを受けられる仕組みを構築。そのほか、認知症などの介護予防にも力を入れることで、要介護状態への進行・悪化を防ぐ取り組みを進めていく方針。
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