三浦版 掲載号:2017年7月7日号 エリアトップへ

7/15・16に例大祭が行われる海南神社の宮司を務める 米田 光郷さん 三崎在住 74歳

掲載号:2017年7月7日号

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息づく古社の伝統、後世へ

 ○…創建866年の由緒ある海南神社。40年以上にわたって宮司を務め、街を見つめ安寧を祈願してきた。毎夏恒例の例大祭を来週に控え、準備が佳境となるなかで同祭が市の重要無形民俗文化財に指定された。「後世へと継承しなければという思いを新たに、地域の機運も高まった」と感慨深げに語る。三崎の人々にとって、祭りは伝統文化であり、にぎわいの核であり、魂。今年もまた街中が熱気に包まれるアツい夏がやって来た。

 ○…奉職するのは祖父の代から。30代前半の頃、父親が病に倒れたのを機に跡を継いだ。最初こそ継ぐ意思はなかったと話すが、「頼む」と枕元で託されたその一言で心を決めたのだという。「簡単な気持ちでは務まらないと思った」。特に祭りは自分の代で廃れさせてはならぬと、新しく神社の青年会を結成。氏子以外にも門戸を開くことで若い世代の参加を呼びかけたのは、当時としては革新的な発想だった。

 ○…頭をよぎるのは漁業が活況だった在りし日の三崎の姿。境内は参拝者が絶えず、夕方になると近所の子どもらがベーゴマやめんこに興じる楽しげな声が響いていた。自身も港へ毎日のように出向いては、豊漁祈願や海上安全のお祓いをしていたこともあったほど人と活気にあふれていたと懐かしむ。「お宮がさびれれば、氏子も衰退してしまう。表裏一体の存在」

 ○…現在、2人の息子が禰宜と権禰宜を務めている。住民有志が手掛けるイベントとの連携や、全国的に広まりつつある新たな神事「夏詣」を取り入れるなど積極的に展開。これまでにない柔軟なアイデアは「私には思い浮かばなかったこと」と喜び、かつて奔走した若かりし頃の自分と重ね合わせながら、温かなまなざしを向ける。「街のコミュニティの中心を担い、そこからまた文化が後世に繋がっていけば嬉しい」。これからの神社の在るべき形を思い描いた。

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