10/16に初声市民センターで朗読会を開く「ひばりの会」代表の 脇坂 清子さん 城ヶ島在住
言の葉が紡ぐ朗読の世界
○…「読むよろこび、聞くたのしさ」。朗読の魅力を尋ねると簡潔にそう言い表した。どちらか一方通行ではなく、ひとつの物語を介して、読み手も聞き手も心が踊る時間を共有すること。約30年にわたって携わってきた朗読の世界の奥深さに改めて感服する。会発足を知る唯一の初期会員となって久しいが、「今では続けていくことが私の生きがいになっている」と笑顔を見せた。
○…会の前身は市主催のボランティア育成講座だった。「せっかく集まったのに修了後、解散してしまうのは勿体無い」。思いを同じくする仲間たちと朗読ボランティアサークルとして歩み始めた。これまで市内の広報誌の音訳や農協の有線放送、保育園・老人施設訪問、子ども向けお話し会など活動を展開。「声の便り『ひばり』」と名付け、朗読を吹き込んだ自主制作テープは視覚障害者や高齢者に好評を博した。「『擦り切れるまで聴いている』。そんな一言が嬉しくて」
○…読み手の気持ちは言葉に表れ、聞き手の心へと直接届き、好奇心をかき立てる。表現方法は人それぞれだが、自身のこだわりは言葉を大切にし、想像を膨らませながら語ることにある。たかが朗読、たかが読み聞かせと侮るなかれ。子どもはもとより、大人も体を前に乗り出し、目を輝かせて耳を傾けるという。しかし、こうした実績も「基礎あってこそ」。月2回の勉強会は欠かさず、手元にはアクセント辞典を置くなど向上心は人一倍強い。
○…幼いうちから聞く力と姿勢を身につけることで、集中力を育むことができると言われている。「そういえば孫が小さかった頃は、よく家でも絵本の読み聞かせをしていて」。楽しかった思い出とともに世代を越えたコミュニケーションツールとしても一役買っていたと振り返る。「これからもこうしたやりがいや喜びを重ねたい」。来年、30周年の節目を迎える会の展望は明るい。
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