心臓の難病を抱える岡崎雫さん(横須賀市立森崎小2年)の海外での移植が、実現に一歩近づいた。渡航手術などに必要な費用を3億1千万円と算出。「しずくちゃんを救う会(池井将代表)」が街頭を中心に募金活動を展開し、昨年末、目標額を達成した。
雫さんは3歳の時に心疾患が判明。しばらくは特に大きな変化はなかったが、小学校入学前後に症状が思わしくなくなり、校庭で倒れた際、AED等による救命措置で一命を取り留めた。そこで「左室心筋緻密化障害(心筋症)」という難病と診断され、入退院を繰り返していた。
この病気には根本的な治療方法がなく、現状では心臓移植でしか命をつなぐことができない。だが、国内での小児心臓移植の例は極端に少なく、両親は米国コロンビア大学病院での手術を決断した。現地での医療費や渡航に掛かる費用は約3億1千万円と高額なため、両親の友人らが「しずくちゃんを救う会」を立ち上げ、募金活動を昨年7月から始めた。
横須賀市内を中心に、ターミナル駅やイベント会場などでボランティアらが計150回近く街頭に立ち続け、三浦市でも募金活動が行われた。呼びかけの声は県外にも広がり、両親に縁のある静岡や秋田・大阪などでも活動を展開。インターネットを通じた振込も1千万円近くあったという。既に海外での移植を終えて、活動を終了させた他の支援団体からの余剰金の寄付もあり、約5カ月で目標額達成となった。
長期入院に心理的負担
現在、東京大学医学部附属病院に入院中の雫さんは、体内にICDと言われる除細動器を植込んでおり、強心剤の点滴も24時間。長期にわたる入院生活で、最近は食欲が無くなったり、「外の空気が吸いたい」とこぼすことも。精神的に落ち込む様子を見せることもあり、心理的なケアも続けている。一方で、院内学級での行事にも参加し、「移植手術に耐えられるように」と、1日1千歩を目標に体力作りにも取り組んでいる。
今後は、渡航に関する手配や、移植受け入れ先病院との調整を進め、雫さんの体調を見ながら、来月中にも渡米する方向だという。
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