「家庭から離れている子どもたちに、手づくりの温もりを届けたい」――。
南下浦市民センターを拠点に活動する市民サークル「三浦ソーイングオハナ」(茨田光子代表=人物風土記で紹介=)は、メンバーが手づくりした布製品を、児童養護施設で暮らす子どもたちへ贈るボランティアを行っている。
活動は月に1度、第3水曜日。所属する12人は皆それぞれ、洋裁や和裁、パッチワーク、刺繍など針仕事が趣味で、「自分の好きなこと、得意なことを社会のために役立てたい」と集う。先月には毎年恒例となっている布小物とお菓子を詰めたクリスマスプレゼントを届けたばかり。この時、施設を初めて訪れたという入会間もないメンバーらは、「胸に抱いて喜んでくれて。こちらが思わず涙ぐんでしまった」と感極まる。
会は代表の茨田さんが、知人と2012年に発足。「地域の子どもたちに関わる活動をしたい」。三浦市社会福祉協議会の紹介を受けて、児童養護施設「春光学園」(横須賀市小矢部)への支援を決め、これまで給食袋や弁当入れ、スモックなど様々な品を手づくりしてきた。
今年初めての活動となった今月17日、メンバーらは今春新入園や入学を控える子どもたちの布小物の制作に取り掛かった。色とりどりの生地を前に、配色やデザインについてときに意見を交わしながら1つひとつ丁寧に作りあげていく。
記憶に色濃く残っているのは、以前手掛けたベッドカバーづくり。「肌に直接当たる部分はこうしよう」などと、細やかな配慮を重ねた大作だ。以来、子どもたちは、自身で選んだ好みの布で作られたカバーを嬉々として愛用。時折、施設を訪れるメンバーの手を引いては部屋へ案内し、使う様子を見せてくれた子もいたという。共同生活の日々。プライベートなスペースは専らベッドであることが多く、限られた「自分の城」。選ぶ自由や個性を楽しめる唯一の場所と言っても過言ではない。「正直買った方が早く、安いかもしれない。でも『私だけのもの』という喜びが子どもたちにはあって、それが私たちのやりがい」と頷き合う。
サークル名の「オハナ」は、ハワイの言葉で「家族」の意。これからも素朴で家庭的な温もりを届けていく。
活動に関する詳細は、茨田さん【携帯電話】090・5807・7475
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