三浦版 掲載号:2019年1月11日号
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輝きびと 人を幸せにする喜び糧に 講演家・エンターテイナー等身大株式会社内藤 紗弥花 VITAさん

社会

 元お笑い芸人で、講演家・エンターテイナーとして活躍する内藤紗弥花VITAさん(33・上宮田出身)。強い自我ゆえ、いじめを受けるなど苦悩した10代・20代を経て、自分の居場所と使命を見つけた今、日々の幸せを感じている。この瞬間を生きる若い世代に伝えたいことは何か。成人の日を前に語ってもらった。

今、このときを大切に

 「等身大株式会社」。2016年に立ち上げた会社には、「自分が自分らしく輝けば世界が変わる」「今ある自分をいかして人を幸せにする」とのメッセージを込めた。内藤さんは現在、能力開発や自己実現に関する講演活動を全国各地で年間100回以上行っている。その半数は、進学・就職という人生の岐路に立つ高校生や大学生だ。トレードマークのピンクやブルーの派手なスーツに身を包み、ユーモアを交えながら自身の半生を振り返り、笑顔で語りかける。大切にするのは“等身大力”。人を幸せにする人を育てることが、使命だと感じている。

◇  ◇  ◇

 聴講者と向き合う上で、その人のすべてを肯定することを徹底。「不安があるのに『頑張ろう!失敗を恐れるな!』と言っても無理。大丈夫だという安心感がベース無ければ」。インターネットやSNS、コミュニケーションツールが多様化し、人間関係の希薄化が叫ばれて久しい昨今にあっても、「最後には他者との繋がりが人の幸せの大部分を占める」と内藤さんは語る。これまで接してきた高校生・大学生を「自己肯定感が低い子が多い」と分析し、「自分が話すことで、『こんなに失敗している人がいるなら自分も頑張ってみよう』と思ってもらえたら」

 印象に残っているエピソードがある。とある少人数制のセミナーに、職場で勧められて参加したという当時二十歳の女性がいた。「今日より幸せな明日にする」と意欲を口にする積極的な参加者のなかで、「私は今日と同じ明日でいい」と終始俯きがちな様子が目に留まったという。それでも根気強くすべてを肯定。講演を終え、寄せられた感想で「昨日より幸せな今日でした」の一言に胸を打たれた。自らが放った言葉が心の琴線に触れ、少しでも前向きになる後押しができたのだと思うと、やりがいとともに、自身の存在意義を見つけたような気がした。「嬉しかった。最初は流れで始めた講演が、使命に変わったときだった」と噛みしめる。

 後日談で、その女性は勤務姿勢や人間関係の構築などに良い変化が表れ、「等身大」の起業の際にも快くサポートしてくれるなど、双方にとってかけがえのない存在となっている。

「目立ちたい」個性に苦悩

 子ども時代を一言で表すならば、「目立つことなら何でもやる子」。学級委員、応援団、生徒会はおろか、授業でも率先して挙手。人の注目を集めることがとにかく快感で、同級生たちからは良くも悪くも一目置かれ、教師や家族はその言動に手を焼いていたという。

 高校進学後、1年生で生徒会長に就任。「自己満足、自己中心的でわがままだった」と話すように、リーダーになっても周りを省みることができず、「『内藤、お前はもういいよ』って空気になって」。さまざまところに軋轢が生まれ、いつしか学校で孤立。そのころ、普及し始めたインターネット上の掲示板では名指しで誹謗中傷され、いじめを受けた。不登校になったり、反発心から突然金髪にしたり。一時は自殺を考えるほど悩んだという。そのとき、心の支えになったのは両親の存在。母は「あなたはそういう子だから」と諭し、肯定してくれた。

 「自分は普通なのか」。個性や自分らしさを見失い、挫折も経験。周囲と同じように就職活動を始めた大学3年の冬、母から突如としてお笑い芸人への道を勧められた。「普通になろうとしてない?」。その言葉に背中を押され、吉本興行の養成所へ入所。大学卒業後、芸人となった。芸名はイタリア語で命、活力、生活を指す「VITA」。

芸人から講演家へ

 下積みは想像を超える過酷なものだった。朝昼晩とアルバイトを掛け持ちし、深夜に稽古。笑いを学ぶ以前に教えられたのは、「規律と度胸、それと理不尽ですね。養成所に入った瞬間に後悔もしました」と懐かしそうに笑う。テレビや舞台でスポットライトを浴びるのは、ほんの一握り。「面白くない」と一刀両断され、いつ芽が出るのか分からない不安のなかで、辞めようと思ったこともあったが、だからこそ人のあたたかさが身に染みたという。「24〜25年生きてきて、自分のことだけを考えていたとようやく分かった」

 暗黒時代だと思っていた視界の霧が晴れると、あれほど悩んでいたお笑いでもセンスを発揮。目標としていたテレビ出演を果たし、11年に引退した。

◇  ◇  ◇

 その後、会社勤めの傍ら、休日に講演活動を開始。芸人時代に磨いたトークスキルと持ち前の明るさが好評を博した。「ここが私のステージ」。30歳を過ぎてようやく輝ける場所を見つけたと直感した。

 昨年11月、高校時代の恩師から依頼を受け、県立三浦初声高校の開校式で講壇に立った。今思い返せば地元三浦ではこれが初めての講演で、刺激を受けた生徒から感想のメッセージが届いているのだと、嬉しそうに携帯の画面を見見つめる。

 今、かつての自分と同じように悩み苦しんでいる子がいたら伝えたい言葉は、「生きていてよかった。毎日が楽しく幸せだから」。胸を張る表情には一点の曇りもない。

高校での講演会の様子
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