タクシー業界の現状や三浦市内の交通事情の課題と今後について考える意見交換会が今月15日、三浦市民交流センターで行われた。人手不足に悩む事業者と利便性を求める利用者が、公共交通としてタクシーが担う役割を探った。一方、「京急三崎タクシー(株)」では、まぐろきっぷ購入者を対象に、貸し切り観光タクシーの運行を開始。観光客の足やガイド役として地域活性化への貢献をめざす。
「消滅可能性タクシー」と題した意見交換会は、「合同会社MISAKI STAYLE(ミサキステイル)」が企画。当日は三崎に営業所を置く「(有)いづみタクシー」代表取締役の八木達也さんがゲストスピーカーとして登壇した=写真。
八木さんは、全国のタクシー事業者をとりまく諸課題を説明。高齢化や働き方改革によるドライバー不足、規制緩和、利用客の減少などが影響していると述べた。とくに同社はドライバーの平均年齢が約65歳と高齢化が深刻で、売上確保と地域交通存続の間に置かれた厳しい経営環境の内情を明かした。
参加した市民ら約30人からは、免許返納後の交通手段や買い物難解消の一助としての乗り合いタクシー、定額制の乗車料金の導入などのアイデアが寄せられ、実現性について話し合われた。
また、八木社長は近年、世界で急速に拡大し、都内でも利用が始まった「Uber」や「DiDi」のライドシェアについても言及。条件付きでライドシェアの仕組みを取り入れたビジネスモデルをつくり、特区申請する構想を紹介した。
新しい三浦観光の足誕生
京急三崎タクシー(原町)は今月21日に、観光タクシーサービスを新たに始めた。電車・バスの乗車、食事、施設利用がセットの京浜急行電鉄の企画乗車券「みさきまぐろきっぷ」購入者が対象で、公共交通機関の時刻表や路線にとらわれず、制約のない自由な旅程が楽しめるという。
サービスはまぐろきっぷ提携施設・三崎口駅・三浦海岸駅の発着で、2時間(1台8470円)、3時間(同1万2490円)の2パターン。利用開始の1時間前まで予約を受け付け。家族連れや高齢者、外国人旅行者などの需要を取り込み、観光PRすることで地域経済活性化への寄与したい考え。
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